ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

データカンパニーとして成長するインテル

インテルと言えばパソコンのCPUで圧倒的なシェアを誇る会社ですが、スマートフォンなどのCPUではQualcommを初めとしたARM系全く歯が立たないのが現状です。

しかし、スマートフォンを使うにはクラウドにあるデータセンターの存在が欠かせませんが、このデータセンター向けのCPUでは圧倒的なシェアを誇ってもいます。

さらにIoTというこれからの物もありますが、一見世間的には分が悪そうにも見えるかもしれません。
インテルという会社がどこへ向かっているのかを、2017年3月2日に都内で行われたプレスセミナーから見てみましょう。

データカンパニーになるインテル

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インテルの江田社長はデータカンパニーに向けた成長戦略を語りました。

これは、各種デバイスの高度化によって利用するデータ量は増大するため、これを扱えるようになるためのCPUやネットワーク含めた進化が必要になります。
そのデータを扱える環境を提供できるのがインテルだと説明します。

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2020年までに平均的な人で1.5GB、自動運転車は4TB、クラウドベースのビデオ配信は750PBのデータを1日に扱うことになります。
これを扱えるようになるには、ネットワークはもちろん、クライアントから、ゲートウェイ、サーバーまですべての投資が必要になります。これをすべてEnd to Endで提供できるのがインテルだとしています。

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その中での重点するのは次の3領域と説明します。

  • クラウド、AI、ネットワーク
  • メモリ、FPGA、5G
  • データリッチなモノと機器

それぞれの領域で各業界に特化したソリューションを提供するとしました。

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特に重点に置いているのがAIで、高度なアーキテクチャーが必要な分野にインテルXeon Phiなどのプロセッサーを提供、関連企業のM&Aにより足らなかった部分の拡充。

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自動運転なら「インテルGoプラットフォーム」で、自動運転向け開発プラットフォーム、5Gネットワーク、データセンターを提供。

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さらに、現在課題のある業種向けのソリューションも提供、例えば小売業では。

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顧客体験、店員、在庫など実店舗の課題を解決するために、「インテル レスポンシブ・リテール・プラットフォーム(インテルRRP)」を提供。

現状で1兆ドルの損失があると言われている在庫など、リテールでの課題を解決する。

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そのための次世代型実店舗の実現のため、RFIDでの在庫、人の動きがリアルタイムに把握できるシステムのためのセンサー、ゲートウェイ、データセンターを提供。

さらに、オンデマンド生産のような生産面での改革もしていくとしました。

また、データ量が多くなることに対応した5Gへの投資もしていきます。

プラットフォームを提供し各業界の課題を支える会社へ

インテル半導体の製造を基本とした会社で、これまではパソコンやサーバー向けのCPUの提供で成長しました。

今後もパソコンやサーバーは使われますが、まだまだ活用が進んでいない業界が多数あります。自動運転、AIといった今後の活用が期待される業界もあります。

それらの業界が利用する事になるデータはもちろん、演算性能やネットワークを利用するための半導体で、各業界を後ろから支える会社としてインテルは成長していく戦略のようです。

その成長には、CPUとチップセットWi-Fiモジュールというプラットフォームを提供し、パソコンの進化を支えてきた経験を生かしていくようです。

今回紹介された、各種プラットフォームはまだ一例とのことで、今後多くの業界でインテルが関わっていく事になるようです。

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日本のApple Payは海外では使えない

日本で2016年10月25日にApple Payが始まりました。その後、2017年3月1日にApple Pay対応のクレジットカードが大幅に増えました。

日本ではFeliCaのインフラを使ってApple Payが利用されているため、海外のApple Payが日本で使えるのか、日本のApple Payは海外で使えるのかが気になるところです。

答えは「どちらも使えない」となります。

日本のApple Payは日本でしか使えないし、海外のApple Payは海外でしか使えません。

このあたりは

support.apple.com

に書かれています。

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iPhoneのリージョン設定を変えればいいという偽情報が当初で回りました。そもそもiPhoneのリージョン設定は日付などの表示しか変わらないもので、地域を変更する物ではありません。

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AMD RyzenでインテルとのCPU競争が再来

AMDはZENアーキテクチャを使ったRyzen 7シリーズを2017年3月3日に発売します。

AMDが公表しているデータによると、インテルのCore iの同等製品よりもパフォーマンスが高く、価格は半額となっています。

実際のパフォーマンスは条件によって前後するでしょうが、同等性能が出たとして、価格が半額というのはユーザーとしては非常に魅力的ですね。

半額がどのくらいかというと、インテル製品が10万円の所、AMDが5万円なので、だいぶお得感があります。

インテルCore iとAMD Ryzenを比較

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8コア16スレッドで、ベース周波数が3.6GHzのRyzen 7 1800Xは$499(59,800円)です。

インテルの現行で同等製品となる8コア16スレッドのCore i7 6900Kはベース周波数3.2GHzで$1,089です。

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6コア16スレッドのCore i7 6800Kは$434ですが、8コア16スレッドでベース周波数3.4GHzのRyzen 7 1700Xは$399。
AMDはこちらもCore i7 6900Kよりパフォーマンスが高いとしています。

実際のパフォーマンスはどうなのか

現状ではAMD側のデータしかないので、多分Core i7の同等製品と同じくらいのパフォーマンスながら、価格は大幅に安いだろうくらいしかわかりません。

これらのパフォーマンスは、主にCPUだけのパフォーマンス比較なので、実際にどのくらいパフォーマンスの差が出てくるかは実機での検証が必要となります。

実際の環境でどのくらいのパフォーマンス向上があるかは、今後出てくる各種比較で明らかになるでしょう。

周辺環境が整う今後数ヶ月に注目

マザーボード含めて周辺環境がそろうまでに今後数ヶ月はかかるでしょう。

その間にインテルも価格含めた対策をしてくるはずですし、Ryzenの7シリーズ以外も登場します。

少なくとも言えるのが、Ryzenの登場で、CPU競争が活性化するという点でしょう。

このクラスの製品は、ここ数年インテル一強でしたが、今後数年は両社の競争が本格的になるのは確実です。 

 

オールインワンゲーミングPC レノボ ideacentre AIO Y910の25万円は高いのか

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オールインワン型で、ゲーミングPCというレノボのideacentre AIO Y910が発表された。

価格は25万円ほど。これが高いのか安いのかを検証します。

ideacentre AIO Y910の仕様

CPU インテルCore i7-6700
メモリ 16GB
ストレージ M.2 256GB + 1TB HDD
ビデオカード NVIDIA GeForce GTX 1080 8GB
画面 27.0型 2560x1440 NVIDIA G-SYNC対応

各パーツを自分でそろえて自作した場合

CPU 3.5万円ほど
メモリ 1万円ほど
ストレージ 2万円ほど
ビデオカード 8万円ほど
G-SYNC対応ディスプレイ 6万円ほど

ここで20万円超。

これにケース、キーボード、マウス、OS等をつけて4万円くらいに納めないとideacentre AIO Y910の価格に負ける。普通に買ったのではこの価格をはるかに超えるので、一応自分で作るよりも安いとは言える。

今後のなんちゃらキャンペーンでさらに下がることが予想されるので、その時にはさらにお得感が出てくるだろう。

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問題は第6世代Coreを使っているところか

ゲームでのパフォーマンスにはそれほど影響は与えないだろうが、第7世代Coreではない点が気になるところか。ここで第7世代Coreになったところで、影響はそれほどないが、パフォーマンスは若干落ちる。

またゲーミングPCとしてはキーボードはそこそこながら、誰もが納得と言えるかどうかは微妙な物。

電源も含めすべてが本体内に入ったオールインワン型として考えると、悪くは無い製品。
なによりも、ビデオカード含めて自分で交換出来る設計になっているので、次の世代のビデオカードが出たら自分で交換して使いたいような方にはお得に使えるかも。