ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

パソコンのみだったASUSイベントレポート Computex 2017

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台湾で毎年6月初めに行われている世界最大規模のコンピュータ関連展覧会のComputexが始まります。

2017年は5月30日から始まります。例年、毎年PC系メーカーとしては一番早くイベントを開くのがASUSです。

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例年、その年に発表する様々なジャンルの新製品を発表しますが、イベントで話された内容は、ほぼすべてがパソコン関連のみという状態でした。
スマートフォンもロボットも、タブレットも無く、パソコンのみで、イベント会場には最新のWi-Fiルーターと、Zenfone ARのデモエリアがあったくらいです。

それでも、今回は世界最薄最軽量といった特徴のある様々なノートパソコンや2-in-1製品が発表されています。

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世界最薄の360度回転する2-in-1の「ASUS ZenBook Flip S」

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厚さ10.9mmで2-in-1状態にしたときもタブレットとして違和感のない薄型製品です。

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指紋認証機能が横についており、どの角度でも認証できるようです。

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世界最薄の14型ノート「ASUS ZenBook 3 Deluxe」

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12.9mm厚と薄型で、14型液晶ながら小型で重量は1.1kg。Thunderbolt 3にも対応し、ROG X Station 2の接続にも対応します。

18.9mm厚にNVIDIAGPUを搭載した「ASUS ZenBook Pro」

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厚さ18.9mmで重量は1.8kgでNVIDIAGeForce 1050Tiを搭載します。

Intel Optane Memoryを搭載した「ASUS VivoBook Pro」

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ZenBookシリーズよりお買い得な製品シリーズで、2TB HDDと512GB SSDIntel Optane Memoryを搭載する製品です。低コストながら高速で大容量のストレージを実現できるOptane Memory搭載のノートパソコンはこの製品が初でしょうか。

499ドルの「VivoBook S」

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ZenBookの10mm台前半に比べると劣りますが、それでも普通に薄い17.9mm厚のVivoBook Sです。GeForce 940MX搭載可能。

仕様によりますが、これで5万円台からですからかなり売れるのではないでしょうか。

最新のオールイン型「ASUS Zen AiO」

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画面上面にWindows Hello対応のIRカメラを搭載できるAIOです。低価格モデルもあります。

単なる液晶モニターと言われてもわからない非常にスタイリッシュな製品ですね。

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これ以外に最新のWi-Fiルーター Blue Caveがあります。

こちらは真ん中に穴が開いている特徴的な製品ですね。IntelWi-Fiが入っているようです。

ということで、Intelが一部協賛もしていることもあり、Intel関連が山ほど入っていたASUSの新製品ですが、どれも薄型で小型化、それでいて高性能の製品ばかりとなっています。見た目も特にZenBookは非常に良いですね。

2017年後半にはこの手の製品が市場を賑わすことになるのでしょうか。

 

360度カメラの選び方 2017 #svsummit2017

360度パノラマ撮影をするには、一眼レフカメラを複数枚撮影するのが一般的でした。

しかし、RICOHのTHETAが登場してから一発で撮影できるようになったので、カジュアル撮影向けでは手動による画像加工が不要になりつつあります。

超高画質の画像向けでは一眼レフカメラを使いステッチングをするのも2017年以降は残っていくでしょう。

例えば、Canon EOS 5Dsを使えば、1億素以上のピクセル数、大型センサーによる高画質が期待できます。

しかしながら、従来基準における高画質な360度ピクセル画像は、2017年頃から順次登場する専用のカメラで撮影可能になります。もちろん画像加工などもする必要が無い一発撮影が出来る物です。

価格はそれなりに高価ですが、EOS 5Dsやレンズなどをそろえることを考えると安いくらいの価格の物がいくつかあります。

こちらでは、Google Street View Summit 2017 Tokyoで紹介された製品から画質や付加機能、コンシューマー用途別の代表的な例での製品を紹介します。 @svsummit2017

allaboutkamikura.hateblo.jp

高画質撮影用途

ほとんどの商用用途の場合でも、高画質な用途では一眼レフを使った360度パノラマ撮影は不要になっていくでしょう。

例:NCTech iris 360 Pro

簡単にそこそこの画質を得たい

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そこまで高画質で無くても良いが、そこそこ高画質を低価格に実現したい場合は、4Kやそれ以上の撮影が出来るカメラを使う事になるでしょう。

3Dや動画の撮影含め、5万円から10万円で必要十分な画質を一発撮影できる360度パノラマカメラが手に入ります。

例: RICOH THETA

低コストでお手軽に360度撮影したい

RICOH THETAのような製品はお手軽ではありますが、スマートフォンに直接取り付けて撮影できるカメラの方が、サイズも含めて面倒くさくなくておすすめです。

例: Giroptic iO

スマートフォンVRをやりたい

GoogleのTangoのような実世界とVRを組み合わせる物では、スマートフォンでの対応もあり、用途が広がれば多くの機種でこの機能が搭載されてくる可能性があります。

例: Zenfone AR

VRでも高画質が必要

 

スマートフォンでの画質はそこまで高くはないので、VRでより高品質な物を狙うなら、専門のカメラを使った方が確実です。

例: Matterport

撮影だけではない付加機能も欲しい

不動産など向けに撮影と同時に距離測定もできる製品もあります。

例: iGUIDE

360度のアクションカメラが欲しい

一般うけが大きいのが、360度のアクションカメラでしょう。GoProも出しますし、360flyは加速度計などを組み合わせた付加情報を動画に簡単に埋め込める機能も提供するようです。

 

例: 360fly

 

Google Street View Summit 2017 Tokyoからみる360度カメラの将来 #svsummit2017

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Google Street View関連の年次サミットが、2017年5月10日から11日にかけて東京で行われた。

2016年にアナウンスされたGoogleによるStreet View Editorの公開終了は、関係者に動揺が広まった。その代わりにどうなるかというとAPIが提供され、インドアビューの編集は外部ソフトを利用する形になることが今回の目玉でもある。

Create your own Street View imagery with new 360 cameras

Googleに頼ること無く、外部開発者によるStreet View関連サービスはより充実していきそうだ。

ここでは、Street View関連サービスに必要になる、撮影するための360度カメラを考えてみたい。

360度撮影の始まり

歴史的経緯はよく知らないが、360度のパノラマ撮影自体は2000年代に、順次撮影した複数の画像をステッチングするところから本格化していったようだ。

その後、Googleが360度にカメラを配置し、1度に複数枚撮影して画像処理するお手製のカメラを使いGoogleマップを組み合わせた、道路の360度風景画像を2007年に公開した。

一発で360度撮影できるカメラの登場

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その後、360度に近い撮影が出来るカメラはいくつか登場したが、一発で本当の360度撮影できるカメラとして登場したのがRICOHのTHETAだ。

その後、様々なメーカーからも似たような製品は続々と登場している。

2017年からの360度カメラのトレンドは

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RICOHのTHETAが次に出す製品は、4Kビデオに対応する。これで動画でも今時のディスプレイでとりあえず必要十分な解像度となる。

こうなると、一発で撮影できる360度カメラも静止画なら4K解像度以上は当たり前で8Kクラスへ。HDR撮影も可能で、3D撮影もより手軽になりそうだ。ビデオは4Kが当たり前になりつつある。

一眼レフによる複数枚撮影でのステッチング前提撮影の場合、4K程度では話にならない。一般的には8K以上、VRを考えるとさらに高解像度の12K程度は必要になるだろう。

専門のカメラでは、単に撮影するだけで無く、付加機能もついてくる。

例えば距離測定も可能になると、室内なら空間の広さ、物体のサイズ等が認識出来るようになり、VRへの応用が簡単にできるようになる。実際に登場する各種製品

ここではGoogle Street View Summit 2017 Tokyoでブースを出したり、紹介された製品を紹介する。 #svsummit 2017

一般向け360度カメラの動向

一般向けで一番手軽なのはスマートフォンに接続するカメラだろう。

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GIROPTIC iOiPhoneAndroidに対応する360度カメラ。静止画、ビデオ、ライブ配信に対応しサイズ含めて最も手軽に利用可能だ。

Insta 360もある。

スタンドアローンで一発撮影できるカメラ

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もちろんRICOHのTHETAも次に発売する物では4Kビデオや3D音声にも対応。

スマートフォンと連携したり、少し大きいが、スタンドアローンで撮影できる物で、画質が良い物として製品はいくつか出てくる。

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SamsungGear 360 2017もその中の1つだが、自社のGalaxy(とiOS)での使用を前提にしており、スマートフォンを含めた戦略商品になっている。

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これらの製品よりも高機能な物としてはGoProからFUSIONも登場する。360度を一発で撮影できる本格的なアクションカメラになりそうだ。

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HumanEyesのVuze Cameraはポケットに入る3D撮影も出来るカメラだ。VRを考えると3Dの方がリッチなクオリティになるが、3D撮影も手軽な製品として重宝しそうだ。

高画質や付加機能もついた製品も続々と登場

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より高品質な製品としては、今後も一眼レフでの撮影の需要はあるだろうが、撮影に加えてレーザー測量するiGUIDEの製品もある。

不動産の高品質な映像に加えて、実寸法もユーザーが確認可能で、よりリッチなコンテンツを提供可能となる。

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NCTechのIris360 Proは90Mピクセル(13,800x6,900)の高画質を一発で撮影できるカメラだ。

こちらも高画質需要向けのカメラで、ここまでの画質が一発で撮影できるなら、一眼レフによる撮影というのも終わりを迎える可能性がある。

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360flyは高画質ということでは一般的なスタンドアローン製品と同様だが、360度撮影が可能なアクションカメラで、4K対応版も登場し、各種オプションや加速度計などと組み合わせたサービスとして非常に興味深い。

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このような360度カメラは比較的早めに展開していた日本や欧米だけでなく、Kenxenのような中国系企業も参入している。価格面でもより一般化していきそうだ。

屋外での高画質な撮影も

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従来のストリートビューの撮影では、Googleに頼むか自分でどうにかするしか無かった。

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車の上に取り付けて撮影するような用途含め、SphericamZ CAMInsta 360のように、多くの製品やサービスが登場している。

自分の敷地内のストリートビューを撮影するようなこともより一般化していきそうだ。

 

よりリッチなコンテンツへ

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MatterportInsideMapsのようなよりリッチなコンテンツを撮影できるカメラ、サービスもある。

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Matterportは撮影しながら搭載したセンサーの情報を組み合わせ、3Dのフロアプラン撮影も可能。もちろんStreet Viewとの連携も可能。

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insidemapsはスマートフォンで自動撮影できるInsideMaps HERO 360 Rotorを提供し、誰でも高画質な360度撮影をできるようにもしている。

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一般化する360度撮影

従来の360度撮影は、どうやって撮影するかというノウハウ面から始まっていた。

しかし、一発で撮影できるコンシューマー向けカメラからプロ向けのハイエンドカメラが続々と登場しており、撮影自体は問題なくなっている。

今後は、用途に合わせた製品を選ぶだけの問題になっている。

高画質な製品は価格も高いので、エージェントによる撮影が減ることはないだろうが、順次一般化しており、付加価値を提供できなければ生き残りは難しくなりそうだ。

Street View関連サービスはAPIの提供から続々と登場しているので、その中で何を提供していくのかが今後の問題になるだろう。

趣味で撮影するのもよし、それをビジネスに生かすも良し、どちらにしてもストリートビュー関連の知見やノウハウを今のうちに集めておかなければ、この分野はすぐに取り残されていくことになりそうだ。

 

Google Street View Summit 2017 Tokyo

Google Street View Summitとは

Google MapsにはStreet Viewという360度画像を表示する機能があります。

360度画像はGoogleが撮影した物だけでは無く、ユーザーが撮影した物をアップロードする事もできます。また、お店の中などを独自に撮影して、Google Mapsに組み込むインドアビューというものもあります。

Street Viewは360度画像を撮影する必要があり、撮影方法、加工方法、その他で様々なノウハウがあります。

カメラマン向けにStreet View認定フォトグラファーという制度があり、Googleに情報を載せたいけど、自分ではできない人向けに撮影を請け負いしやすくなるような仕組みもあります。

www.google.co.jp

これらの様々な情報はLocal Guides Community内のStreet View Trusted Photographer用のフォーラムでコミュニケーションを取れます。

これ以外には、年1回のサミットを行っているようです。

1回目は2016年5月にオランダのアムステルダムで行われました。

Street View Summit 2016 | Home

ここで話された内容は動画で公開されています。

5月31日に1日だけ行われ、動画を見る限り200人くらい参加しているような感じです。

日本語での感想はこちらにありました。

media.l-s.co.jp

2017年は5月10日と11日に日本の東京で開催されます。 #svsummit2017

https://events.withgoogle.com/street-view-summit-2017/

今回は2日間みっちりと行われるスケジュールになっています。

2016年がどうだったのかは不明で、全員がそうなのかはわかりませんが、少なくとも2017年は旅費等を自分で負担するイベントになっています。

日本で行われるイベントですが、イベントは英語で行われ、通訳等もありません。

条件を満たしているとGoogleから招待状が届くようなので、普段からStreet Viewで画像を投稿しているなら、参加してみてはいかがでしょう。