ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

YouTubeの収益化の黄色アイコン「一部の広告主に適していない動画」とは何か

YouTubeでは2017年に入って広告関連でいくつかの問題やそれに伴う混乱があります。

その1つが、YouTubeにアップロードした動画が広告主に適していないという表示になり、広告が表示されないらしい状態になる問題です。

YouTubeの一部の広告主に適していない動画とは

2017年3月中旬にイギリスで、過激派や人種差別主義者のYouTube動画に広告が表示され、収入を得ていることが問題視されました。

www.thetimes.co.uk

これについてGoogleは改善することを公表しました。

Improving our brand safety controls

その後、2017年春頃から一部のチャンネルで広告収益が激減したという報告もありました。

不適切な動画に広告を制御するシステムが稼働し始めた可能性もありましたが、これについてYouTubeは特に何も公表していません。

実際にそれが形になって出てきたのが2017年8月で「一部の広告主に適していない動画」という収益化の新しいアイコンステータスが追加されました。

support.google.com

f:id:AllAboutKamikura:20171030222618p:plain

この収益化の黄色いアイコンが登場後、アップロードする動画ほぼすべてが黄色のアイコンになる場合もありました。

一般のYouTubeのユーザーはこの状態に困惑し、タイトルに問題があるのではないかなど、独自の対策をした方も多かったようです。

黄色になるのはYouTubeがこれを判断する機械学習アルゴリズムに欠陥があるためで、本来は問題がない動画も黄色いアイコンになってしまっていました。

これを改善する唯一の方法は再審査を請求し、問題のない動画を学習してもらうしかありませんでした。

「一部の広告主に適していない動画」の改善

「一部の広告主に適していない動画」を判断するアルゴリズムでは間違った分類が頻繁に見受けられました。

このため、多くのYouTube利用者から苦情が相次いだため、機能を大幅に改善したようです。

実際に、この機能はYouTubeは2017年10月26日に改善したことを発表しました。YouTubeによれば間違った分類を従来より30%削減できるとしています。

ほとんどの動画で黄色のアイコンになっていた場合は30%減るだけですが、余計な手間が減ることは確実でしょう。

今後も定期的にアップロードした動画が黄色になっていないかをチェックして再審査を申請する必要は続くようです。

実際に黄色アイコンになったらどうなるか

実際にヘイトスピーチでも人種差別でもテロにも関係していないような平和な動画をアップロードしていて、黄色のアイコンになっても広告収益にはあまり影響がないという意見が多いです。

ただ、こうなることの印象は悪いことは確かなので、これが終息する方向に改善して欲しいというのが多くのYouTube動画投稿者の意見ですが、2017年10月の改善はその第一歩のようです。

広告主はどのように設定しているのか

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広告主はAdWordsで広告を出稿している場合、標準コンテンツフィルタを設定するようです。

黄色アイコンの動画に広告が表示されるかどうかは、標準コンテンツフィルタを設定するか、さらにコンテンツのカテゴリを指定することで不適切な動画に広告を載せないように出来るようです。

2017年11月8日追記

再審査はチャンネル登録者数1万以上と1万以下で差が出る仕様になったようです。

この問題に関するその他の情報源

https://productforums.google.com/forum/#!topic/youtube-ja/iAg5RVqHlIk

https://productforums.google.com/forum/#!topic/youtube-ja/C9MWRhr2-z4

https://productforums.google.com/forum/#!topic/youtube-ja/iP8mYoi5qDo

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Googleの決済サービスまとめ

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Googleの決済サービスは複数あり、2017年10月にはまた新しいPay with Googleなる物も増え何が何だかわからない。

主に登場している順番にまとめた。

Google ペイメント

Googleのサービス、Google Playなどでの支払いに利用するサービス。

https://payments.google.com

Google Wallet

主に個人間の決済サービス。

Android Payがお店での支払いなら、Google Walletは個人間でお金を送受金するサービス。

日本未対応。

www.google.com

Android Pay

モバイル決済アプリ。

主にクレジットカードをNFC対応のAndroidバイスに登録し、店舗のNFCリーダーにかざして決済をする物。

電子マネー、ポイントカードにも対応している。

www.android.com

Tez

インド市場の金融システム、ユーザーが所有するデバイスに合わせた決済サービス。

tez.google.com

Pay with Google

オンラインショッピングなどで、店舗が対応していれば簡単に決済ができるサービス。

クレジットカードや住所をPay with Googleに登録すれば、オンラインショッピングでの決済の際に、Pay with Googleをタップするだけで決済や住所入力が終了するシステム。

www.google.com

まとめ

はっきり言って、それぞれ微妙に異なるサービスが違う名前で展開されており、非常にわかりづらい。

地域によって使える物使えない物もあるし、インターネット系のサイフや物理的なカードを不要にしようとするモバイル決済システムはまだまだ未成熟で勝者がいないことから、Google内でも多くのサービスが出てくる要因でもある。

とはいっても、国毎に金融システムも、普及しているデバイスも異なるため、そう簡単にはいかないことは、中国でのQRコードベースのシステムが普及し、インドではGoogleがTezを開始したことでもわかるとおり。

少なくともGoogleの決済サービスはもう少しまとめた方が良いのでは。

これ以上増えませんように。

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これからのIoTなドアを考える

昭和中期の日本のドアと言えば引き戸で、その中央部分に鍵がついているのが一般的だったと思うが、それから昭和後期に現代風になってからドアの進化が全く進んでいない。

引き戸のドア時代は、薄いガラス製で鍵含めて防犯の意味が全くなかった良い時代。

その後、外開きのドアが普及し始めたが、鍵は1つが一般的。

その後、平成になると鍵を複数つけたり、よりセキュアな鍵になったりもしたが、ドア自体が単独でセキュアになっただけで、従来の延長上でしかない。

これからはドア自体もIoTでインターネットに接続し、ドアホン操作や鍵もすべて遠隔操作、よりセキュアに出来るのが理想だ。

IoTなドア

IoT時代になったら、鍵自体がよりスマートになるので、物理的な鍵自体が不要になるだろう。

生体認証で開く鍵、登録したスマートフォンや各種電子デバイスが近づくと自動で開く鍵、遠隔操作で開く鍵など。

これに加えて、宅配対応も必要になるだろう。

allaboutkamikura.hateblo.jp

海外と違い、日本では家の前に置いていく事がないので、宅配用のロッカーのような物もドアに設置する必要がありそうだ。

一戸建ての場合、宅配ボックスを設置するのか、宅配業者が来たら鍵を開けるのか。鍵を開けて玄関に置いてもらえば、宅配ボックスのスペース問題も解決する。

部屋のセキュリティはカメラで監視しておけば良いと思う。

IoTなドアを実現するには

IoTなドアを実現するにはドアホンと鍵などを連携する必要がある。

日本のハイエンドドアホンの一部はスマートフォンとの接続自体は可能で、鍵との連携も可能。連携できる鍵はJEM-A対応の電子鍵が一般的。近年製品が続々と登場しているIoT対応の鍵とは異なる。

最近増えているIoTの鍵、例えばQrio Smart Lockは既存の鍵に取り付けて使う製品。

鍵自体をスマート化することを目的にしており、キーレスやオートロックが可能だが、インターフォンなどとの連携は特に出来ない。

qrio.me

このような鍵のスマート化はAirbnbなどでの鍵の受け渡し、欧米ではよくあるベビーシッター、掃除を人に頼むような用途では便利に使える場合もあるが、日本の一般家庭の状況とは必ずしも合わない。

august.com

個人的理想のIoTドア

  • ドアや玄関周辺にカメラがある。
  • ドアホンとスマートフォンなどが常につながっていて、ドアホン自体のカメラ、ドア周辺のカメラ画像をリアルタイムで確認できる。
  • 撮影した映像はすべて録画される。
  • ドアホン越しに遠隔で訪問者と会話し、鍵を遠隔で操作できる。
  • 宅配ボックスもドア周辺に配置して、この操作も遠隔でできる。
  • ドアロックは自動で行う。
  • ドアロックの状態を遠隔で確認できる。

人によっては必要ない機能、他にも必要な機能もあるだろうが、このあたりを統合的に管理できるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだ。

このブログを書いた翌日にAmazon Keyという新しいサービスが発表された。

www.amazon.com

宅配ボックス的な機能をドアの開閉とセキュリティカメラでやるというもの。

少なくとも現状で荷物は家の前に置きっぱなし、掃除その他で不在時に人の出入りが普通にあるアメリカでは流行るだろう。

2時間でわかる 図解「IoT」ビジネス入門

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Google TC Summit 2017 シンガポール 簡易報告 #TCSummit

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GoogleのTop Contributor(日本名トップレベルユーザー)向けのイベント、トップレベルユーザーサミットが2年に一度行われている。

Googleのヘルプフォーラムや、関連コミュニティーで活動しているユーザーが招待されるイベントで、2年前に引き続き招待されたので簡単に紹介したい。

topcontributor.withgoogle.com

これまでは、アメリカのカリフォルニア州、マウンテンビュー地域で開催されていたが、2017年は世界3地域に分けた地域別トップレベルユーザーサミットとして開催される。

その第1弾となったのが主にアジア圏のユーザーが対象となるシンガポールだ。

筆者を含めた日本のユーザーはこの9月末に開催されたシンガポールの部に参加した。

参加者は百数十人で、日本からは20名ほどが出席した。

内容は基本的にすべてNDA(守秘義務契約)の対象で、詳細はGoogleが公開するもの以外は公表不可だが、スケジュールなどは2017年10月現在まだ公開されている。

興味があればご覧いただきたい。

地域別トップレベル ユーザー サミット(シンガポール) | Top Contributor Program

この後に、ヨーロッパ地域を対象にしたダブリン、アメリカ大陸が対象のマウンテンビューでの開催が控えている。

サミット参加のメリット

このイベントでは、Googleの各プロダクトに関して、Googleの担当者などから最新状況を直接説明を聞いたり、わからない事は質問できたりする。

これだけなら特にイベントに参加する必要は無く、普段からオンラインでも可能だ。

一番のメリットは、各国の同じ立場の人達と直接知り合い、担当者とざっくばらんな会話が出来る点だ。

そいういう意味では、今回は全世界1カ所ではなくアジア地域が中心だったので、交流は密に出来たと思う。

アジア地域というのは、シンガポールから距離的に近い日本、韓国、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、インド、オーストラリア、ニュージーランドなどが中心で、なぜかアフリカからの参加者もいた。

アメリカで開催した場合、ビザの問題で地域によっては参加しづらい人もいるようで、今回のような地域を分割した開催のメリットもあるようだ。それでもマウンテンビューが良いなという本音は参加者から出ていたが、シンガポールでの開催自体は初めての訪問ということもあって興味深い部分もあった。

その1つがGoogle APACの見学。

Google APAC

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Googleのアジア地域は今回開催されたシンガポールに中心機能があるが、東京やマウンテンビューなどとは異なる興味深いオフィスだった。

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建物のデザインにもよるだろうが、開放感がありすぎるオフィスで、場所にもよるが天井がものすごく高い。施設は他と同じで、ジム、昼寝部屋、エステなど一般の会社では理解不能な物から、カフェ、2カ所の大きな食堂、屋上の庭園などがあって働く環境としては悪くなさそうだ。

食事はアジア地域としてはまあまあで、マウンテンビューよりは上で、日本の方がさらに一段階高いといった印象。

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このメインの食堂以外に用意されているマイクロキッチンやカフェが、Googleの無料食事のポイントだと個人的には思っているが、このあたりは他地域と同様にしっかり整備されている。

個人プロジェクト

個人的なプロジェクトとして、オリジナルの缶バッジやステッカーの配布、参加者のサインを集めるということをしてみた。

作りすぎたステッカーはともかく、缶バッジはほぼ売り切れ、全員ではなかったが8割程度の90名ほどから集めたサインがこれ。

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