ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

YouTubeの新収益化基準(2018年版)のよくある質問

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2018年に更新されたYouTubeの収益化ポリシーとは

YouTubeは2018年1月16日に収益化ポリシーの変更を発表しました。

つまり、YouTubeパートナープログラムの参加基準が厳しくなりました。

2017年の更新では総再生回数1万回以上のチャンネルがYouTubeの収益化審査に申し込めました。

2018年の変更からは、チャンネル登録者数1,000人以上で、過去1年間の再生時間4,000時間以上のチャンネルが収益化の審査を申し込めるようになりました。

このポリシーは発表日から適用されています。

再生時間か登録者数の両方が基準に達している必要があり、どちらかが足していないと申し込みが出来ません。

今まで収益化していて新しいポリシーで基準からはずれる人は

2018年2月20日に新基準が適用され、収益化が出来なくなります。

公式のソースは

youtube-creators.googleblog.com

youtube-creators-jp.googleblog.com

support.google.com

公式のソースに30日間の猶予期間とありますが、これはなんですか

それまでの 30 日間は猶予期間となります。(to allow for a 30 day grace period.)

の事ですが、1月16日から30日間だと2月15日ですが、YouTubeあるあるの、この辺の詳細を適当にやっている状態です。

適用されるのは2018年2月20日の何時ですか

おそらく、アメリカの太平洋標準時(PST)だと思いますが、何時かはわかりません。上記のように細かなことは適当なので。

2月21日更新:
日本時間で2018年2月21日の早朝に適用されました。

新基準適用後収益化から外れて再度基準に達したらどうなりますか

新基準に達したら自動的に再度審査されます。ユーザーが自分で申請する必要はありません。

基準のボーダーラインでその日によって基準に達したり外れたりする場合はどうなりますか

例えば、チャンネル登録者数は1,000人以上だが、今日は再生時間が3,999時間だが、翌日4,000時間、翌々日3,999時間になるような場合だと思います。

毎日のように収益化が外れたり、収益化されたりするようなことはないのではと思います。

上記の30日間の猶予期間のようなものが適用される可能性があります。仮に1日だけ外れても30日以内に基準に達したらそのまま収益化が続く。というような形が利用者としては理想ではないかと思います。

YouTubeからはこの件に関して発表された事はありません。

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2018年2月21日更新:
新収益化基準の審査に合格したばあい、基準から外れても基本的には収益化が出来なくなる事ありませんが、独自の裁量で取り消す可能性があるそうです。

4,000時間を分にすると何分ですか。

時間を分に変換出来ない方は、YouTube利用規約やコミュニティガイドライン等を理解出来ない可能性があるので、収益化の基準から外れていると思われます。

www.youtube.com

www.youtube.com

1年間の再生時間などを確認する方法を教えてください

YouTubeアナリティクスで確認できます。

ここで期間を過去365日間にします。左上のギアの設定画面も活用してください。

https://www.youtube.com/analytics

過去1年間に4000時間の再生時間とはそもそもなんですか

過去1年間とは例えば、2018年4月なら、2017年内とか2017年度とかの再生時間ではなく、その日から1年前までの合計再生時間です。

2018年2月1日なら、2017年2月1日から、2018年1月31日までの再生時間です。

2018年8月15日なら、2017年8月15日から、2018年8月14日までです。

審査基準は厳しくなりますか

この新基準が作られたのには、YouTubeを悪用しているユーザーを排除することが目的の1つとなっているようです。

たとえば、他人の動画を再アップロードする、どこかから集めただけの動画をマッシュアップと称してアップロードしている、機械的に量産したクリエイティビティのない動画、悪意のある動画などをアップロードしているなど。

このような動画で不正に収益を得るような行為を防止するために、審査できる最低の基準を厳しくし、審査の数を減らすのが第一の目的です。

それにより、人間による詳細の審査を出来るようなシステムにしています。

このため、従来より審査は厳しくなっていると思われます。

どのような動画だと審査をクリアできますか

概要はYouTubeYouTubeパートナープログラムに関するヘルプに記載されています。

support.google.com

要するに、他人の著作物を侵害しない、自分が作成するなどしたオリジナリティがある誰もが楽しめる動画の様な物です。

ただし、歌ってみたなどの他人の著作物を使った動画のような場合、権利者が許可している範囲で動画を作成している場合には収益化も可能と思われます。

基準から外れる場合、今までの収益はどうなりますか

YouTubeで得た収益はAdSenseを通して支払われます。

YouTubeの収益は1ヶ月単位でAdSenseへ金額が確定されます。この金額は最終的にYou精査された物が表示されるため、YouTubeの推定収益とは異なります。

2018年2月20日に基準が適用される場合、最終的に適用された日からしばらくすると金額がAdSenseの画面で確定されます。

この金額が最低支払額(日本は8,000円)に達している場合、支払いが行われます。

最低支払額に達しておらず、YouTubeでの収益は今後一切止めるという場合は、AdSenseの利用停止の最低基準額(1,000円)以上なら支払われます。

AdSenseの利用停止をすると二度とそのGoogleアカウントで申し込めなくなるので、やらずに、二度とYouTubeで収益化するつもりがなくても、そのままの状態を維持した方がよいです。

support.google.com

support.google.com

収益以外に何が出来なくなりますか

動画制作者からの質問に答えてくれるクリエイターサポートがあります。

これはYouTubeパートナープログラムで利用出来る利点の1つですが、これも利用出来なくなるようです。

それ以外では、クリエイターコミュニティが閉鎖になります。2016年くらいからクリエイターの交流用に作られていた公式のコミュニティがありましたが、2018年1月30日で新規書き込みは不能に、2月には過去の物も含めて読めなくなります。

他には特に使えなくなる機能は無いようです。

support.google.com

登録者数や再生時間が足らないので呼びかけようと思います

単純に、動画の最後にチャンネル登録を呼びかけるようなことは一般的な行為でYouTubeも推奨しているので問題ありません。

ただし、他のチャンネルを登録する代わりに、私のチャンネルにも登録してくれというような行為は禁止されています。

Sub4Subという行為で、YouTubeがはっきり鍍金しているので、チャンネルが停止する可能性があります。

また、チャンネル登録や再生回数をお金で買うようなことも禁止されています。

 

再生時間4000時間以上のYouTubeの新しい収益化基準で影響を受ける人とは

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YouTubeに動画をアップロードして収益を得られるYouTubeパートナープログラムの参加基準が変更になりました。

youtube-creators-jp.googleblog.com

2017年4月にも変更がありました。当時は、総再生回数1万回にならないと申請できない物でした。2018年1月16日に公表された基準では、過去1年間の総再生時間4,000時間以上、チャンネル登録者数1,000人以上になりました。

この件に関する翌ある質問は別途まとめています。

allaboutkamikura.hateblo.jp

収益化の基準を厳しくし、不正な収益化を未然に防ぐ

過去1年間の総再生時間が4,000時間以上なので、一時的にバズった動画で総再生時間が瞬間的に延びたとしても1年後にはその基準に満たなくなります。

このため、継続的に再生されているチャンネルで、チャンネル登録者数1,000人というある程度ユーザーに支持されているチャンネルが収益化の対象となります。

もちろん、これはYouTubeパートナープログラムに申し込めるようになる基準なだけで、認められるかはわかりません。

おそらく、収益化を申し込める基準を高める事で、不適切なYouTubeの利用を未然に阻止する意味があると思われます。

人間による審査には限界があるので、審査する数自体を減らし、審査の品質を高めたい意味もあるのでしょう。

新基準で影響が出る人とは

これによって影響が出てくるほとんどのパターンは、一般的に人気ではないジャンルのチャンネルを運営している方と、運営を真剣に行っていない方です。

チャンネル登録者数1,000人以上は、人気ではないジャンルではかなり厳しいハードルです。

例えば、料理ならほぼ全ての人が対象になりますが、ほとんど仲間がいないような特殊な趣味のチャンネルを運営している場合、インターネット上でも1,000人という登録者を集めるのはかなり難しいと言えるでしょう。

過去一年間の再生回数4,000時間というのは1ヶ月にすると2万分です。

1つの動画の平均再生時間は数分といわれています。仮に1つの動画の平均再生時間が2分とすると再生回数1万回となります。

これもあまり人気が無いジャンルのチャンネルでは厳しいですが、チャンネル登録者1,000名を狙えるジャンルなら、やり方次第で不可能ではありません。

もちろんやり方次第ですが、定期的にアップロードせず、再生回数が少ないような真剣に運営を行っていない場合は影響が出ます。

登録者1,000名以上が可能なチャンネルなら新基準もクリア可能

1回の再生回数1,000回の動画を月に10回アップロードすれば達成可能です。一般的にアップロードした動画はその後も再生されます。継続的に再生される動画をアップロードすればするほど、毎月のアップロード回数を減らしても過去1年間の再生時間4,000時間をクリアできるようになります。

登録者が必ず視聴するわけではありませんが、登録者1,000名のチャンネルの場合、数割の視聴は見込めるので、少なくともアップロードした動画で数百回の視聴は見込めます。

これ以外に検索などの外部からの流入があれば再生回数1,000回は高いハードルではありません。

これで継続的に新しい動画をアップロードをするだけです。

この場合、再生回数4,000時間をクリアするまで1年間程度かかりますが、そもそも初めから1回1,000回の再生回数になるわけではないので、この計算通りにいくわけではありません。

既に他のプラットフォームで人気の方がYouTubeチャンネルを作る場合を除くと、一般的には収益化の申請が出来るようになるまでは数ヶ月単位になるでしょう。

チャンネル登録者数を増やしながら徐々に再生回数も増やす活動を続けていけば数ヶ月で様子がわかってくると思います。

収益に時間がかかった場合、以前と比べて得られなくなる収益は

今までなら収益化できたはずなのに、今回の新基準で仮に1年間収益化できなかった場合、以前の基準と比較し、どの程度の収益を捨てることになるでしょうか。

前述した例では、1年間の再生回数は15万回程度になると思われます。1円の収益を得るのに再生回数10回が必要な場合、1.5万円の収益を得られなかったということになります。

収益を得られていたとしても、それほど大きな金額ではありません。

日本のAdSenseは8,000円が支払いの基準ですが、このあたりの金額を得られないなら振込もしばらくないので、収益化の基準に達成するまで時間がかかっても、問題はそれほど大きくないと言えます。

本当に問題になるのは

再生回数は多いが、チャンネル登録者が少ないチャンネルになります。

ニーズの高いジャンルで検索などで見つかりやすいような動画のチャンネルですが、実はこのようなチャンネルは不正されやすいジャンルです。

短期的に再生回数を稼げるので、不正に広告収益を得られやすいため、今回のようなYouTubeの新基準では厳しくなっています。

何がYouTubeが考える不正か、そうでないかはしっかり理解した方が良いでしょう。

新基準での注意点

この厳しい基準をクリアするために、登録者数を意図的に増やすサービスを使う方も増えるかも知れません。

お金を払って登録者数を増やしたり、再生回数を増やすサービスがあります。

しかし、このようなサービスを使った登録者数の増加はYouTube規約違反となり、YouTube機械的にチャンネルを停止させています。

また、Sub4Subという、相互にチャンネルを登録し合うサービスも規制の対象となっています。

不自然なチャンネル増加がある場合、収益化以前にチャンネル停止になるので注意しましょう。

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YouTubeの問題は安易な収益化と、問題を未然に防げない内部体制

YouTubeはアップロードした動画に広告を付けることで、クリエイティビティの欠片もないコンテンツで金を稼ぐことが出来る。

この収益化システムやYouTube内部の方針には問題があり、2017年から外部から様々な指摘が相次いでいる。

2017年から問題になっている広告主の離反問題

YouTubeではクオリティの高い動画に対して広告主がつき、収益を得ることでさらに上質な動画をアップロード出来るようにするというサイクルが理想だ。

実際にそうやって活動しているしっかりしたコンテンツを作成するYouTuberも多いが、一部で不正に利益を得ようとしている場合がある。

2017年春に問題になったのが、テロリスト、差別などに関する動画に広告が掲載されるもの。

特にイメージを重要視するような、YouTubeの主要広告主である大手企業がこれを問題視した。

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広告主向けのコンテンツフィルタ機能

この問題が明らかになると、動画の種類を分類出来るようなコンテンツフィルタを設定出来るようするなど、システム上で改善をしていったようだ。

その後に問題になったのが、一見子ども向け動画に見せかけた悪意のある動画。

子どもに人気のキャラクターが問題行動をする様な物で、大人が観ても気分が悪くなるような物が多い。

これが子どもに安心して動画を視聴させるためのシステムのYouTube Kidsで再生出来ていたという問題だ。

このような問題には、ここで使われたキャラクター名にちなんだElsaGate(エルサゲート)という名前までついている。

他にも、権利無視の動画、どこからかのコピーペーストで量産された動画、人気の動画を再アップロードなど多くの問題があるが、これらはユーザーがYouTubeのシステムの隙を突いて収益化し利益を得るような行為だ。

このような動画が形を変えてアップロードされるのはYouTubeで安易に金を得られるからだ。

YouTubeはこのような問題が出るたびに、収益化の審査など含めて全てを厳しくするような改善を繰り返している。

将来的にシステムがしっかりし、YouTubeにやる気さえあれば、問題の動画を投稿し、安易に金を稼ごうという者は減っていくだろう。

YouTube自体の問題

そもそもこのような問題が表面化するのは、現在のYouTubeの内部的な問題だ。

YouTubeには人気のチャンネルを優遇して取り扱う様々なプログラムが存在している。

これも本来は、クオリティの高い動画をアップロードしている人達へのサポートプログラムのような物だが、この中にどう考えてもおかしな物が含まれている。

例えば、2018年1月に話題になったローガン・ポールの自殺関連動画のような、単なる悪ふざけチャンネルもここに入っているという点。

悪ふざけのチャンネルはふざけたことをすればするほど、視聴者が喜ぶ。そもそも悪ふざけをしているような動画の投稿者にはモラルにかけている場合が多いため、将来的には度が過ぎる動画を投稿し社会的な問題となる危険性がある。

ローガン・ポールの件はまさにこれだ。

YouTubeはそのような潜在的に問題になる危険があるチャンネルでも、人気だということで特別扱いをしていた。

YouTubeは問題のあるチャンネルは停止する処置しているが、全世界で問題視されたローガン・ポールのチャンネルはそのままにしている。

そもそも度が過ぎた悪ふざけをしているチャンネルを特別扱いしていたということがおかしい。

チャンネル停止は間違った物も多く、間違えた停止に巻き込まれたまっとうなYouTuberは多い。本来は停止されるはずのないチャンネルが停止される事は相次いでいる。

しかし、今回のように特別扱いしているチャンネルはそのままという状態。

ローガン・ポール(Logan Paul)へのYouTubeの対応が明らかに - ITライター上倉賢のAll About

YouTubeは人気のチャンネルを特別扱いしていると批判されても仕方の無い対応をしている。

www.bloomberg.com

www.bloomberg.co.jp

この件でも内部では対策を検討しているようだが、全てが外部から指摘を受けて初めて動くような物ばかり。

今後も似たような問題が出てくるだろうが、指摘される前に内部でこのような問題を先回りして改善できない限り、同じ事を繰り返すことになるだろう。

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ローガン・ポール(Logan Paul)へのYouTubeの対応が明らかに

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YouTubeに悪ふざけ動画を投稿しているローガン・ポール(Logan Paul)氏に対しての非難が収まりません。

きっかけは日本時間で2018年1月1日に投稿された青木ヶ原樹海での自殺関連動画です。

allaboutkamikura.hateblo.jp

この件ではYouTubeにもSNSへのメッセージが多かったからか、Twitterで公開書簡を公開しています。

An open letter to our community:

Many of you have been frustrated with our lack of communication recently. You’re right to be. You deserve to know what's going on.
Like many others, we were upset by the video that was shared last week.

Suicide is not a joke, nor should it ever be a driving force for views. As Anna Akana put it perfectly: "That body was a person someone loved. You do not walk into a suicide forest with a camera and claim mental health awareness."

We expect more of the creators who build their community on @YouTube, as we’re sure you do too. The channel violated our community guidelines, we acted accordingly, and we are looking at further consequences.

It’s taken us a long time to respond, but we’ve been listening to everything you’ve been saying. We know that the actions of one creator can affect the entire community, so we’ll have more to share soon on steps we’re taking to ensure a video like this is never circulated again.

https://twitter.com/YouTube/status/950847377816113153

ここでは自殺関連の動画が問題だとしているようで、日本での迷惑行為全般については特に触れていません。

日本を問わずに行っている迷惑行為についての見解も知りたいところです。

www.polygon.com

さらに、PolygonによればYouTubeでのいくつかの対応もしているようです。

Googleは登録者が多いなどのYouTubeのいくつかのチャンネルをGoogle Preferrdとしてパッケージ化して広告主に販売していたようでローガン・ポールもここに入っていたが、外す。

YouTube Red (YouTubeの有料利用者向けサービス: 日本では未対応)での映画プロジェクトは保留。

チャンネル自体は削除するようなことはしないが、チャンネル登録者数が多いYouTubeチャンネルへの優遇措置などは止めるような対応のようです。

この対応が全てかどうかはわかりませんが、このような悪ふざけチャンネルこそ「収益化の停止」や「ほとんどの広告主に適さない」といった厳しい処置をすべきだと個人的には思います。

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