ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

弱小ライターが苦労する発表会取材での撮影

普段、発表会の取材なんかをしていると、さまざまな場面で写真が必要になります。

発表会の全景や、画面に映し出された内容、講演者の写真が基本ですが、特にズーム性能が必要になるのが、講演者と、講演者が製品を手に持って紹介するような場面です。

会場の全景や、画面に映し出された内容を撮影するためには、撮影する位置にもよりますが、24mmくらいの広角レンズが必要です。

講演者の写真を撮影するには、こちらも撮影位置によりますが、最低でも100mm、できれば300mm程度は必要です。一般的にWebで使うので、それほどの性能が無くてもクロップ(周りを切り取る)してしまえばいいのですが、あまり品質の良くないカメラを使った場合、画質が非常に悪くなり使い物になりません。

最近それが顕著になっているのが、小型の製品を紹介したときです。

下の画像は、ラスベガスで行われたCESという世界最大級の展示会の基調講演で、インテルブライアン・クルザニッチCEOがIoT分野でウェラブル向けの超小型モジュール「Curie」を紹介した場面です。

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1/5.8型センサーを搭載したビデオカメラで、800mm相当の静止画としてキャプチャーしましたが、はっきり言ってかなり汚く、手に持ったCurie自体もはっきりと見えません。

撮影した場所はそこそこ近いところでしたが、運悪く場所が悪かった場合は、さらに画質は悪くなります。


Intel® Curie™ Module: Unleashing Wearable Device Innovation

製品が小さいのはわかるのですが、撮影がまともに出来ないと、それを取材する方としては困ってしまうわけです。

カメラ専門の方の場合、このような場面に備えて、標準レンズをつけた一眼レフと、ズームレンズを取り付けた一眼レフの2台体制で取材しています。

しかし、一人で撮影、文書、場合によってはビデオまで、全部を取材するような筆者のような弱小ライターの場合、カメラを何台も持つのは物理的に不可能です。また、カメラ専門でなんとかしようと思っても、会場によってはうまく場所取りも、移動も出来ないので、始めに陣取った場所で何とか出来るようにカメラを準備しておかなければなりません。

このため、カメラの選択肢が重要となります。

筆者の場合は、そこそこ画質の良いカメラと、ズーム性能の高いカメラの組み合わせをすることが多いです。本当は、専門のカメラマンのように、一眼レフを複数台使い、数キロあるようなズームレンズも持ち歩くのが理想です。しかし、重すぎるのと、その時にレンズやカメラを取り替えてというような悠長なことは出来ないため現実的ではありません。

広角からズームまでそこそこの画質で撮影できるカメラが1台あればいいのですが、実際の所、なにかを犠牲にする必要があります。

現時点での最適解として、普段のかさばらなく、軽く持ち運べる撮影用に、そこそこの画質で撮れるカメラと、ズーム倍率があまり高くないレンズの組み合わせ。これに、ズームが必要なときに合わせて、高倍率ズームが出来るコンパクトデジカメの2台としています。

こうしておけば、ほとんどの場面で画質はともかく撮影可能で、万が一、どちらかが壊れても何とかなるようにしています。

ラスベガスでの取材では、ミラーレスカメラと、ビデオカメラという組み合わせをしていました。

ミラーレスの方は28-88mm相当くらいのレンズをつけていたわけですが、このCurie発表時の全景は下のような画像になります。

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文句を言おうと思えばいくらでも出てきますが、そこそこの画質で、一応使える画像になっているかと思います。

本当はアップにしたときの画質も、これくらいの画質が欲しいところなのですが、このような瞬間にしか撮影できない画像の場合は、このくらいの品質での2枚が個人的な限界です。

大きな発表会では、数十メートルあるスクリーンを使ってプレゼンをして、このような小さな製品をいきなり公表する場合があり、広角からズームまでいつでも対応できるように準備しておく必要があります。

そんなことで、常に新しいカメラを常にチェックしているわけですが、もしかしたらすべての用途にそこそこ使えそうなカメラが登場しそうです。

それが、キヤノンPowerShot G3Xです。


キヤノン:1.0型センサーと光学25倍ズームレンズを搭載したプレミアムコンパクトカメラ“PowerShot G3 X”を開発

キヤノンのプレミアムコンパクトに分類されるカメラです。大型のセンサーと高倍率ズームで、画質はそこそこ、瞬間的なズームも自在に出来るなら、これ1台でなんでも出来てしまうかもしれません。 

発売がいつになるのかわかりませんが、注目している一台です。