ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

インターネット上の情報のみ削除できればいいという誤解

インターネットの各種検索サイトで自分の名前を検索したりすると、表示されることを恐れている人がいます。

実際の所、個人名を検索されるようなことは、有名人でも無ければほとんどありません。あったとしても反社会的なことをしていなければ問題になることも、ネット上で話題になることもありません。

あるとしたら、検索したら出てきたよとか言われる程度ですが、隠れて検索するような人は、検索したことを人に言わないので、そのことを言ってくるような人もほとんどいないのが現状です。

つまり、名前から検索できたとしても、取り立てて実害が無いのがインターネットの実際の所です。

それでも、自分の名前から紐付く情報はすべて削除したいと考える方はいるようです。そういった方は、ネット上の一部のサイトの情報さえ削除すればいいと考えている方が多いようです。

この考えは情報を削除すると言うことではかなり間違っています。

例えば、検索サイトはGoogle以外にマイクロソフトのBingや多数あり、検索して出てくることを防ぐなら、すべてのサイトで削除してもらうよりも、その元データ自体を削除してもらう必要があります。

元データで言えば、ネット上の地図サービスは、地図のデータ提供会社からデータの提供を受けて、そのデータを表示しています。

各サイトではデータの削除申請が出来るようになっていることが多いですが、その情報は、地図データ提供会社が提供している他のサービスでも利用されています。

例えば、Googleマップはゼンリン等のデータから、ビル名等を表示しています。そのゼンリンが提供している住宅地図は、ビル名だけでは無く、表札についている個人宅の名前等も、現地の調査員が実際に表札を調べて、調べた結果をまとめて、印刷して販売されています。

つまり、インターネットでたまたま自分で調べた情報を削除したとしても、それ以外のところからいくらでも情報を得ることは出来ると言うことです。

ゼンリンの住宅地図は1冊あたり1万円から2万円する高価な物ですが、図書館で読むことも出来るので、インターネットのGoogleマップ以外のサイト以外からも簡単に遠方の個人宅の場所や名称を調べることは出来ます。

個人情報の削除を望むなら、インターネット上だけで無く、存在するすべての情報を削除しなければなりません。


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