ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

NETFLIXは当初騒がれたほど日本で普及しない理由

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オンラインのビデオサービスNETFLIXが日本でローンチしてから4ヶ月が経過しました。

当初、オンラインビデオサービスの黒船として大手メディアを中心にストリーミングユーザーが大幅に増加するような風潮がありました。しかし、現時点でそれほど多くのユーザーが利用しているというわけではないようです。

これは、日本とアメリカでの状況がかなり違うことが影響しています。

全世界のユーザー数は7000万で、そのうち4000万がアメリカなので、3000万がその他の国となりますが、ほとんどがヨーロッパや南米と思われます。

そもそもNETFLIXはDVDの通信レンタルで多くのユーザーを獲得していたサービスです。そのユーザーがオンラインでの映像配信サービスを利用するようになったわけで、時代に合わせて業態を変化させた企業です。

このため、日本とは違ってオンラインで1からユーザーを獲得したわけではありません。

1からスタートしているHulu、通販のヘビーユーザー向けに便利なAmazon等、競合サービスはいくつかありますが、NETFLIXはDVDからオンラインへの配信へとスムーズにユーザーが移行できたこともあり多くの会員を獲得しています。

また、アメリカでは一般的に有料のケーブルテレビに加入して、テレビ放送を楽しみます。このケーブルテレビの料金がそこそこ高いという問題があります。

NETFLIXの様なサービスは、それに比べるとかなり低価格で映像を視聴できます。高いケーブルテレビを止めて、もっと低コストなオンラインのサービスへと移行するCord Cutting(コード・カッティング)という動きが数年前からありました。

このようないくつかの要因で、アメリカでのオンラインビデオ配信サービスのユーザーは年々急増していますし、元々ユーザーが多かったため、コンテンツの入手に関してもやりやすかったという状況があります。

一方で、日本では無料放送の地上波放送が動画サービスの主流となります。

NETFLIXを含めた動画配信サービスは有料での配信が基本で、加入してお金を払うという行為が必要になります。

無料でそこそこのテレビ番組をみれるのに有料でも視聴したいようなのは、映画や放送が終わったドラマ等に限られるでしょう。

ユーザーが毎月1000円前後を払ってもみたいような映画やドラマが毎月配信されるなら、現在の有料の衛星放送やケーブルテレビと同等のユーザー数は獲得できるでしょう。

しかし、それ以上のユーザーを獲得するのは日本における放送が相当変化しない限り難しいとも言えるでしょう。