ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

iPhone SEでミドルレンジスマートフォン競争が加速

AppleiPhone SEを発表しました。

www.apple.com

このiPhone SEは小型で廉価版のiPhoneという位置づけの製品です。数年前にiPhone 5cが発売されましたが、大して安くもない中途半端な製品でした。今回のiPhone SEは完全にミドルレンジ品を意識した製品となっています。

iPhoneは7万円以上するハイエンド機種が中心でしたが、今回の製品によってミドルレンジからハイエンドまでそろい、あまり予算に余裕のない地域でも十分iPhoneが戦える土壌を作る事になります。

注目なのは399ドルからという価格はもちろん、その性能でしょう。

もちろん、最も高性能なiPhone 6sには及びませんが、プロセッサー自体はそれと同じ物が採用され、パフォーマンスは価格を考えると必要十分かそれ以上です。

その他の細かな機能も、スマートフォンが現時点で必要そうな機能は一通りほぼ全て備え、4万円程度の$399からという価格設定になっています。日本だとなぜか5万円を超えますが。

Androidでは3万円程度で価格を抑えたスマートフォン。4万円から5万円程度でも性能を絞ったミドルレンジ品が多い中で、画面サイズは一回り小さい物の、これだけ高性能な製品が出てくると、競合他社は大変です。

今まで、それほどブランド力が強くない物同士で戦っていたのが、強力なブランド力をひっさげたiPhoneがくるわけで、4万円から5万円程度で販売していた各社の製品はもっと安くするか性能、デザインや独自の機能で対抗するしかなくなってきます。

値段はともかく、性能やデザインでAppleに迫れる会社はあるでしょうか。ありません。

価格はiPhone SEと同じくらいだが、画面が大きいとか、もっと安いとかなんらかの強烈な特徴を持っているとかでないと、iPhoneに勝つのはかなり難しくなってくるでしょう。

Androidは特に、所得が比較的低い地域で価格面から選ばれる事が多かったわけですが、少し頑張ってiPhoneにするということが本格的になれば、Androidのシェアは落ちてiPhoneが選ばれるようになる時代が来そうです。

もちろん、Android勢はこれに対抗するために様々なしかけをしてくるわけで、ミドルレンジスマートフォン競争が加速するのは確実でしょう。