ARMを買収するソフトバンクが、この会社をどう事業に生かしていくのか、ARMにとってどうなのかとか様々な議論があるようです。
ソフトバンクという会社は昔から主要事業がコロコロ変わっている会社であり、本業と直接関係ない会社を買う意味があるのかどうかなんて考えるだけ野暮です。
主に成功していった買収案件を中心に、会社がどうなっていったのかを見てみましょう。
ソフトウェア卸業
ソフトバンクは1981年にソフトウェア卸業として創業しました。
メディア企業
その後、出版部門を設立、アメリカのジフ・デイビス・パブリッシングを1995年買収。
このあたりまでは、ソフトウェア卸と、ソフトウェア産業を活性化するためのメディア事業の強化で普通の買収の歴史となります。
ネットサービス業
それと平行して展示会のCOMDEX、インターネット事業のYahoo!に出資、Yahoo! JAPANのサービス開始。当時世界最大規模だったIT関連の展示会、少なくとも日本ではYahoo! JAPANはネットサービスとしてはトップ集団となっています。
インターネット接続業
2000年にアリババに出資、2001年にYahoo! BBを開始。現在も中心的な業態となっている、通信関連の案件はこのあたりから本格化します。
ネットサービス兼メディア企業が通信サービスに手を出し始めた頃となります。
携帯電話事業
2004年から2006年にかけて、日本テレコム、ボーダフォンジャパンを買収し、携帯電話事業を掌握。その後、スマートフォンが世の中の中心的存在になりましたが、2004年くらいから、モバイルインターネット時代へ投資をしていました。
メディア関連事業でありながら、通信サービスもやっていた会社が、モバイル通信事業にも手を伸ばし始めた時期です。
国際携帯電話業
2013年にアメリカのスプリントを買収し、通信事業は世界的にも広がります。さらに噂話ながら、T-Mobile USAも買収して一気に攻勢に出ようとしましたが、これは失敗。
スプリント自体の再建は道半ばですが、営業黒字は達成し、日本とアメリカでの通信事業自体は、なんとかなろうとしています。
IoT事業
モバイルインターネット全盛期からIoTへと向かおうとしているわけですが、2014年にロボットのPepperを投入。
そして、2016年のARM買収へとつながっていくわけです。
これからは何の事業が来るのか多分本人もわかってない
ソフトウェア卸業として設立した会社が、アメリカでの通信事業を手がけるなんて、35年前は孫正義氏含め、誰も考えてなかったでしょう。
それと同じように、10年か20年すれば、ARM関連がソフトバンクの事業の中心となり、今とは全く違う会社になっていても会社の歴史上不思議ではありません。
それまで会社運営がうまくいっていればという話になりますが。
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