インテルが2017年11月にAMDのGPUを搭載する第8世代コアプロセッサーを提供することを発表しました。
これを採用する製品は2018年第1四半期に登場します。
ライバル同士の2社の製品が融合する製品が登場するというかなりスゴイニュースです。
インテルにAMDのGPUを搭載するニュースがいかにすごい事か
基本的な知識としてCPUはパソコンの頭脳、GPUは絵を描くための頭脳。
CPUが高機能なら計算が速く、GPUが高機能ならスゴイ絵が表示できると考えると分かりやすいと思います。
インテルのCPUにもインテルのIrisなどのGPUを搭載していますが、最新のAAAと言われている最新のスゴイゲーム用途では性能が足りないのが実情です。
そこで、ゲームやVR用途で十分な性能を実現するためにパソコンメーカーはAMDやNVIDIAなどのGPUを別途搭載する必要がありました。
これにはCPUなどと別の部品として、AMDのRadeonやNVIDIAのGeForceのGPUを別途パソコンに取り付ける必要があります。
つまり部品が増えるので、小型軽量のパソコンを作る事が出来ません。
CPUに高性能なGPUが搭載されればCPUを取り付けるだけで、高性能なGPUも手に入ることになります。
インテルからCPUを搭載すればAMDのGPUもついてくるし、小型の製品も作りやすいということになります。
問題は、AMDはCPUも販売しており、高性能なCPUに高性能なGPUという組み合わせはAMD自身が提供できるということです。
AMDがインテルにGPUを提供すると、CPUとしてライバル会社の競争力が上がってしまう事になります。
AMD Delivers Semi-Custom Graphics Chip For New Intel Processor
インテルとAMDの協力関係の背景に何があるか
インテルが強いパソコン市場の成長はほぼ止まっています。
つまり、主に先進国での古いパソコンの買い換え用途では売れているが、それ以上の広がりがないということです。
これを打開するためには、薄型軽量のタブレットのようなパソコン(2-in-1)でもゲームを始めとした用途で十分な性能を持つ製品が必要と判断したのでしょう。
インテルのGPU性能は年々スゴイ勢いで上がっていますが、AMDなどのGPUに追いつくにはまだ何年かかかります。自社の製品の性能を上げるよりも、ライバル関係にあるAMDのGPUを採用するのが早いと判断したのでしょう。
さらにEMIBという新しい接続方式、新しいビデオメモリのEBM2を採用した今までにないカテゴリを提供できる製品の提供となったのでしょう。
AMDは今後Ryzen Mobileを提供しますが、今回のようなハイエンド製品とはカテゴリがかぶりません。
ハイエンドモデルでインテルGPUに内蔵されていた方が、NVIDIAのGeForceの採用も防げる事もあるかも知れません。
もう一つのGPU供給会社NVIDIAはどうなる
NVIDIAはパソコン用のGPUとしてGeFroceなどを提供しています。
特にノートなどのパソコン用GPUとしてはNVIDIAは厳しくなりそうですが、デスクトップパソコン用、自動車や、ディープラーニング用途、クラウドは急速に伸びており、直近では大きな影響は受けないでしょう。
将来的にノート用のハイエンドGPUでインテルがAMDの採用を続けた場合、NVIDIAのノート用GeForceがどうなるかはわかりません。
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