ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

大阪都構想とNHKの速報

大阪都構想住民投票が行われましたね。選挙ウォッチャーとしては、その構想自体はともかく、最後まで結果がどっちかわからないので注目の選挙でした。

実際、事前に各種調査をした上で報道している各社も、最後の最後まで確実報道は出せなかったようですね。

最終的には、NHKが10時34分の段階で反対多数確実という速報を出しました。この時の投票率は81%で、賛成571,395票、反対565,093票という状態です。これだけみると、こんな状態でよく速報を出せるなと思うでしょうが、NHKの調査体制を見るとその結果もよくわかります。

これは、投票後に聞き込みを行う出口調査もあるのでしょうが、集計中の段階での独自調査によるところが大きそうです。

開票所を見学した方はわかると思いますが、開票所では報道各社が待機しています。

この見学自体は「開票参観」というのですが、力を入れている報道機関は、投票箱から投票券をより分けている段階で集計していきます。10人以上が双眼鏡を使って1つのテーブルでの作業を、交代で集計していきます。この模様の詳細は下のブログで。

blog.kamikura.com

より分けた後に、確認してというような作業を経て、各選挙管理委員会は正確な投票数を出します。この確認に時間がかかっていて、より分けた後しばらくしないと正確な投票数は出ません。

双眼鏡を使ってより分けた勝手に集計している報道機関は、正確な投票数が出るだいぶ前の段階で、おおよその数字を把握しています。正確な数字ではありませんが、開票作業が終わる前に、この数字から判断して速報を出せるわけです。

今回はこの速報を出すために、NHKはすべての開票所でこの作業をやったのかと思います。24区あると言うことなので、開票所も24カ所あったのかと思いますが、1カ所15人として360人体制ということになります。

選挙では毎回こんな事をやっているので慣れているのでしょうが、毎回こんな人数を集めて、独自集計できる体制を維持しつけているのは単純によくやっているなと感心します。受信料が高い理由にも納得できるかもしれません。

ちなみに独自集計していない報道機関の人も開票所では待機していて、単に公式な集計が出るのを待っているだけで、出たらそれを電話かなんかで伝えるだけという暇なことをしています。