シリコンバレー地域は、IT産業が集まっており、比較的収入が高い方も多いようですが、実際の生活面では基本的にアメリカ各地にある都市と大差ないようです。
多くのIT系ハード、サービスがシリコンバレー発で、優秀な人材がここに集まっているようですが、他の国でも、アメリカの他の地域でもなく一体他の場所と何が違うのでしょうか。
ヒューレットパッカードから始まった、シリコンバレーの80年近くの歴史の積み重ねもありますが、この土地ならではの気候や、全体的な雰囲気も影響しているのは間違い無いと思います。
グーグルの#TCsummitのために短期間ながら滞在してみましたが、住みやすい土地で、ここに生活する人の雰囲気もいいことは少しですが伝わってきました。
例えば、スタンフォード大学は日本では考えられないほどの広大な土地の中にキャンパスがあり、学生の環境としてはすばらしいことは十分伝わってきます。
普通に暮らすには他のアメリカの地域と同じように、車が必須ですが、バスも電車もあり、車が無くてもそれほど困らないようです。特にIT企業では送迎バスを用意しており、車をまだ買えない若者や、移民にもある程度住みやすい仕組みも出来ています。
日本でIT系と言えば仕事がハードな印象もあると思います。アメリカでは、夕方になれば帰宅ラッシュが始まりますが、シリコンバレーでも同じです。残業を前提とした労働環境になっていないのも魅力の1つでしょう。
セコセコと長時間労働するよりも、仕事の中身を充実しようとしていることが外からも伝わってきます。
休日などは、少し足を伸ばせば、雄大な自然も、ビルが建ち並ぶ都会での買い物も、スポーツや文化的施設もたくさんあり、好きなように息抜き出来ます。
シリコンバレーでも高級住宅が建ちならぶ、ウッドサイドという地域にあるBucks of Woodsideというレストランからもその雰囲気がわかります。
このバックス・オブ・ウッドサイドというレストランは、中心地から少し外れた落ち着いたところにあります。実際に行ってみると、こんな所に人が来るのかなと思うくらいに外れたところにあります。
出す料理はバーガー系が基本で、アメリカではどこにでもあるような、ちょっとだけ高いレストランです。普通のセルフサービス型チェーン店が10ドル前後で食べられるところ、予算的には20ドル程度でしょうか。ちなみに、この価格に関しては、シリコンバレーだから高いというのではなく、アメリカ各地域で標準的な物です。
ここがすごいのは、投資家が企業家と会うのに使っているレストランだということです。PayPalを初めとして、いくつもの案件がここで決まっているようです。
高級店でもなく、都会にあるわけでもなく、近所にある普通の店で投資家が起業家と会って話し合っていることでしょう。
スーツとネクタイで中身が伴わない見た目だけにこだわるのではなく、肩肘張らずにリラックスして投資家と企業家が話し合える環境をあえて用意しているのでしょうか。
実際には、これだけではない様々な面での環境が整っているのが、シリコンバレーの特徴のようですが、生活環境の唯一の欠点と言えるのが、カリフォルニア州全体の水不足でしょうか。
サンフランシスコ周辺は木が生えている山も多いですが、近くに砂漠地域もあり水不足はいつも深刻です。これさえ何とかなれば、住むのも働くのも世界中でも最高な地域なのでしょう。