4Kや8K放送の早期実現を目指す次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)内で、4K放送の録画を禁止できる機能を持たせることを検討しているそうです。
全番組を録画禁止にするのではなく、放送局の意向で一部の番組で録画できなく出来るようにすると言うようなことのようですが、実際にどのような方向になっているのかは外部からはよくわかりません。
消費者にとっては放送が開始されて実際に録画できないと困る場合もあると思いますが、そもそも4K放送を録画できる機器が存在していないので、現状で困る消費者はいないでしょう。視聴できる機器ですら普及台数はほぼ存在しないと言ってもいいでしょう。
そもそも録画機器自体、ほぼ日本でしか普及していないのですが、録画できる機器が4K放送でも登場したとして、録画できないテレビ番組があったらどうなるでしょうか。
現在、テレビ放送やネットの動画を含め、動画を視聴できる環境は急速に増えています。
録画できなくて、その時間にテレビの前にいる事も出来なければ、その放送は見なくなるだけでしょう。
たまたまテレビの前にいるときに再放送してなければ、その時間にあわせてテレビのチャンネルを合わせることすらやってもらえないでしょう。
つまり、録画できないテレビ放送はテレビの前で放送を待つような生活をしている人に向けた動画サービスでしかないということです。
このような録画できない番組が1日何本かでも存在した場合、それだけで視聴者離れにつながるのは確実です。
ある番組は録画出来るが、ある番組はできないというようになった場合、テレビ放送の視聴が面倒くさくなり、放送自体を利用する機械は確実に減少するでしょう。
それらの人達は行くところは、そんなややこしさがないネット動画になることは確実です。
無料のYouTubeやニコニコ動画はもちろん、NetflixやAmazon、Huluなどはクオリティの高いオリジナルシリーズも配信しており、なおかつ月額料金は1,000円前後です。
ネットの動画でも日時を指定したライブ配信の場合もありますが、ほとんどの動画は後で好きなときに視聴出来るスタイルです。
現在、ネット動画各社は配信番組を強化しているので4K放送が一般的になる頃には、現在のテレビ放送と遜色ないかそれ以上の配信番組構成になっているのは確実でしょう。
4K放送は現状で録画をどうするかと言う低レベルなことを放送や機器業界内でもめているようでは、わざわざ専用機器を買ってもらわないと視聴すら出来ない4Kや8K放送が本格普及するのはかなり厳しい物になりそうです。
そういえばスマートテレビはどこに行ったのでしょうか?