今のところ事務作業等にはパソコンが必要です。ある程度スマートフォンで代用することも可能ですが、あくまでも代用しているだけで結局パソコンが必要になるケースが少なくありません。
そんな状況から、スマートフォンのような小型のデバイス1台とオプションを組み合わせれば全てがまかなえるようになる時代も近いかもしれません。
HP Elite x3はWindows Mobileを搭載するハイエンドなスマートフォンで、スペインで行われる携帯電話系の世界最大のカンファレンスMobile World Congress 2016にあわせて発表されました。
2016年夏頃の発売を目指しているようですが、当初予定している機能が全てうまくいけば、次世代のコンピューティング環境が実現できるかもしれません。
Continuumでスマートフォン1台でパソコンのように使う
Windows MobileはContinuumという機能が利用出来ますが、この機能はスマートフォンを大画面ディスプレイに接続すればパソコンのように使える機能です。
HPはElite x3でこの機能を使うためのオプション製品としてデスクトップ用の一般的なドッグ「HP デスクドッグ」に加えて、ノートパソコンドッグの「HP ノートドッグ」も発売します。
デスクトップ用はケーブルで接続して使う製品ですが、ノートパソコンドッグは完全に無線で使えるようになる製品のようです。
つまり、ノートパソコンに見える製品でWindowsを使っているが、実際は服の内ポケットのスマートフォンを操作しているというような事が出来るようです。
スマートフォンでもパソコンのソフトを動かす
Elite x3はSnapdragon 820を採用しているので、スマートフォンとしては高性能です。しかし、全てのWindowsアプリケーションがそのまま動作するわけではありません。
これを解決するのがクラウドです。
要するにElite x3をシンクライアント端末にして、HPのクラウド環境上でx86アプリケーションを動かすというような事もソリューションとして提供するそうです。
本体はスマートフォン形状のElite x3で、外出先では軽くて持ち運びに便利なノートパソコンドッグでばりばりキーボード入力。
会社や自宅に戻ったらデスクドッグに接続して大画面環境で仕上げみたいなことがシームレスに出来るようになるようです。
スマートフォンの次は?
今回はスマートフォンですが、今後テクノロジーが進化すると、これが腕時計型デバイスに取って代わるということもあるでしょう。
このElite x3自体も実際の製品が対応できるかわかりませんが、WiGigや虹彩認証にも対応しようとしているようです。実際には開発が間に合わなくて見送る可能性もありますが、ケーブル接続の不便さとパスワード入力の面倒さも解決される可能性もあり、なかなか興味深い製品であることにちがいありません。
そして、主にPCメーカーであるHPが、PC自体を不要にするかもしれない製品を出してくると言うのも興味深い点の1つです。
- 作者: デービッド・パッカード,David Packard,(序文)ジム・コリンズ,Jim Collins,依田卓巳
- 出版社/メーカー: 海と月社
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