ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

これからのIoTなドアを考える

昭和中期の日本のドアと言えば引き戸で、その中央部分に鍵がついているのが一般的だったと思うが、それから昭和後期に現代風になってからドアの進化が全く進んでいない。

引き戸のドア時代は、薄いガラス製で鍵含めて防犯の意味が全くなかった良い時代。

その後、外開きのドアが普及し始めたが、鍵は1つが一般的。

その後、平成になると鍵を複数つけたり、よりセキュアな鍵になったりもしたが、ドア自体が単独でセキュアになっただけで、従来の延長上でしかない。

これからはドア自体もIoTでインターネットに接続し、ドアホン操作や鍵もすべて遠隔操作、よりセキュアに出来るのが理想だ。

IoTなドア

IoT時代になったら、鍵自体がよりスマートになるので、物理的な鍵自体が不要になるだろう。

生体認証で開く鍵、登録したスマートフォンや各種電子デバイスが近づくと自動で開く鍵、遠隔操作で開く鍵など。

これに加えて、宅配対応も必要になるだろう。

allaboutkamikura.hateblo.jp

海外と違い、日本では家の前に置いていく事がないので、宅配用のロッカーのような物もドアに設置する必要がありそうだ。

一戸建ての場合、宅配ボックスを設置するのか、宅配業者が来たら鍵を開けるのか。鍵を開けて玄関に置いてもらえば、宅配ボックスのスペース問題も解決する。

部屋のセキュリティはカメラで監視しておけば良いと思う。

IoTなドアを実現するには

IoTなドアを実現するにはドアホンと鍵などを連携する必要がある。

日本のハイエンドドアホンの一部はスマートフォンとの接続自体は可能で、鍵との連携も可能。連携できる鍵はJEM-A対応の電子鍵が一般的。近年製品が続々と登場しているIoT対応の鍵とは異なる。

最近増えているIoTの鍵、例えばQrio Smart Lockは既存の鍵に取り付けて使う製品。

鍵自体をスマート化することを目的にしており、キーレスやオートロックが可能だが、インターフォンなどとの連携は特に出来ない。

qrio.me

このような鍵のスマート化はAirbnbなどでの鍵の受け渡し、欧米ではよくあるベビーシッター、掃除を人に頼むような用途では便利に使える場合もあるが、日本の一般家庭の状況とは必ずしも合わない。

august.com

個人的理想のIoTドア

  • ドアや玄関周辺にカメラがある。
  • ドアホンとスマートフォンなどが常につながっていて、ドアホン自体のカメラ、ドア周辺のカメラ画像をリアルタイムで確認できる。
  • 撮影した映像はすべて録画される。
  • ドアホン越しに遠隔で訪問者と会話し、鍵を遠隔で操作できる。
  • 宅配ボックスもドア周辺に配置して、この操作も遠隔でできる。
  • ドアロックは自動で行う。
  • ドアロックの状態を遠隔で確認できる。

人によっては必要ない機能、他にも必要な機能もあるだろうが、このあたりを統合的に管理できるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだ。

このブログを書いた翌日にAmazon Keyという新しいサービスが発表された。

www.amazon.com

宅配ボックス的な機能をドアの開閉とセキュリティカメラでやるというもの。

少なくとも現状で荷物は家の前に置きっぱなし、掃除その他で不在時に人の出入りが普通にあるアメリカでは流行るだろう。

2時間でわかる 図解「IoT」ビジネス入門

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