中国ではQRコード決済のWeChat PayやAlipay(以下、中国のQRコード決済)がかなり普及していて、ほぼ全ての店などで利用可能な状況です。実際に現地を見ても利用している方はかなり多く普及率は高いと言えます。
この普及率の高さにはいくつか理由があるようです。
中国ではクレジットカードや非接触電子マネーが基本的に無い
中国のちょっとしたお店で買い物する際、VISA、Master、American Expressなどのクレジットカードが利用出来できません。外国人が利用するようなホテル、高級店、お土産店などでは利用出来るようですが、そうではない一般のお店ではほぼ利用出来ないと思った方が良いでしょう。
利用出来るのは銀聯カード(ユニオンペイ)くらい。それも、他の世界的カードブランドのクレジットカードの利用状況と比較すると、中国以外での銀聯カードの利用可能状況は高くはありません。
偽札が多い
偽札が多く現金の信用度が低いらしい。よく知らないけど多分そうなんでしょう。
QRコード決済の導入コストが低い
日本で電子マネー決済を導入するには、どこかの業者と契約した上で、既存のレジシステムを更新し、電子マネーリーダーを導入するなど導入コストが高いです。
一方で中国のQRコード決済に対応するには、既に使っているサービスから自分のQRコードを勝手に印刷し、売り場に貼り付けておくだけ。日本なら10円くらいのコストで対応可能です。
手数料が安い
クレジットカードの手数料は導入した店の業種などにより異なり、決済金額の2から5%程度と言われています。1,000円の商品をお客がクレジットカード払いで購入した場合、お店が50円程度をカード会社に手数料として支払います。
この場合、お店が実際に受け取る金額は950円になります。
中国のQRコード決済は1,000円分支払えば、お店には1,000円分受け取れます。
つまり決済による手数料がありません。
手数料が安いから個人間の決済にも使える
個人間の決済にも利用可能なので、ちょっとしたお金のやりとりはこれを使う事になるようです。
サービス提供事業者はどうやって儲ける
サービス提供事業者は、銀行などへの振り込み時に手数料を取ります。さらに決済に関するデータを取得しているので、そこからも今後の利益につなげるのでしょうし、他のサービスにも展開していくことが予想できます。
まとめ
そもそも中国ではクレジットカード、各種電子マネーの普及率が低く、元々現金の信用度が低い中で、WeChatなどの、元々ユーザーベースの多いサービスに追加された決済手段がスマートフォンの普及とともに現れた。
実際に使ってみると、お店にとってもユーザーにとっても利便性の高い物だったため、中国の独自のQRコード決済手段が一気に普及した。
このような流れで普及していきました。
これを日本に当てはめると、既にクレジットカード、デビットカード、各種電子マネーが普及しており、現金自体の信用度も高い。WeChatのように誰もが使うサービスはLINEなど一部にあるが、利用したがらない人もいる。
日本でも使えるLINE Payなどは一部で使われている物の、全く知らない人もいるような状況。
そんな中で、WeChat PayやAlipayの日本版を目指して各社が参入しようとしている。