YouTubeにアップロードする動画は、動画投稿者が著作権を持っているか、権利処理をした物がアップロードされているという性善説が前提のシステムになっています。
YouTubeが用意している権利侵害関連のシステム
その上で、権利処理がされずに、無断で著作物がアップロードされた場合などに備えて、著作権者がYouTubeで権利侵害の申し立てが出来るようになっています。
YouTubeは誰が権利者かを判断していません。権利関係で揉めた場合は、利用者間で解決するのが前提のシステムです。
レコード会社、テレビ局、映画会社等は大量の著作物を自動で管理できるように、Content IDという仕組みなども提供し、1分間に500時間分の動画が投稿(2019年現在)されているというYouTubeで著作物を効率的に管理できるようにしています。
この権利侵害の申し立ては間違う事があるので、動画投稿者が異議申し立てをする事が出来ます。
動画投稿者が著作権を知らない場合など、間違った異議申し立てをしする事があるので、権利者がそれを拒否することが出来ます。
その拒否が間違っている場合もあるので、動画投稿者は再審査請求をすることが出来ます。
ここまでがYouTubeが動画投稿者と権利者に対して用意している物です。
解決しなかった場合
これで解決しなかった場合は、YouTube外で、裁判等で正規の権利者は誰なのかを争うことになります。
最終的に解決した内容をYouTubeで反映させれば、収益は正しい権利者に支払われます。
動画投稿者がよく勘違いしていること
権利関係が複雑な音楽関係でよくありますが、
Muserkという謎の団体から著作権の通知が来た。ネットで検索したら詐欺団体と言っている人がいる。
みたいなものです。
例えばMuserkはJASRACがアメリカで委託している正規の権利団体で、詐欺団体ではありません。
ゲームの動画をアップロードしたら、知らない会社から申し立てが来ることもあります。そもそもそのゲームの動画に含まれている音楽などの権利状況を正確に理解しているユーザーはいるのでしょうか。
このように、音楽は権利団体が世界中に複数あるなど、権利関係が複雑で、様々な権利者がYouTubeで申し立てをしています。
有名な曲は10以上の団体がYouTubeのこの動画の音楽として表示されています。
JASRACが管理している曲ならカバーで勝手に投稿してもいいと誤解している人
JASRACとYouTubeの契約内容は公開されていませんが、JASRAC管理曲がYouTubeで使われたら、YouTubeから使用料をもらう。というだけのことで、動画投稿者がJASRACに報告しないでもいいシステムになっているだけのはずです。
JASRACは個別に報告せずにカバー曲などを投稿して良いとしていますが、作詞作曲者も同じ方針とは限りません。
作詞作曲者が、権利侵害を申し出ればそれに従わないといけません。そのため、カバー曲は事前に作詞作曲者にYouTubeへのアップロードの許可を得るのが通常の手段です。
間違った権利侵害の申し立てがあった場合は異議申し立てをしてください
YouTubeでは相手が間違うこともあるし、申し立てしてきた楽曲名が間違っている事もよくあります。
実際に詐欺団体も入り込んでいるかも知れてませんが、正しい異議申し立てをすれば、YouTubeでの権利は守れる仕組みになっています。
そのためには、利用するコンテンツの権利状況、著作権をしっかり理解してください。