Appleがインテル製CPUから自社製のApple Siliconへ切り替える事を発表したのが、2020年6月22日(以下全て現地時間)に開催されたWWDC。
年内に搭載製品が出ることを公表していたが、2020年11月10日にMac版Apple SiliconのM1を発表し、これを搭載するMacBook Air、MacBook Pro、Mac miniを発表しました。
Apple M1とは
Apple M1はMac用にAppleが開発したCPUの事で、iPhone用のAシリーズの延長上にある用だが同時期に発表されているA14 Bionicと比べてもかなり性能が高いようです。
A14 Bionic
2 high-perfomance cores
4 high-efficiency cores
16-core Neural Engine
4 cores GPU
M1
4 high-perfomance cores
4 high-efficiency cores
16-core Neural Engine
Up-to 8 cores GPU
主要な性能だけをみるとiPhoneの倍になっています。
さらに、インテルの最新の第11世代Core(Tiger Lake世代)と同じThunderbolt 4、USB 4.0にも対応。
M1は128 execution unitsなので、Tiger Lakeの96に比べても多いです。
CPUコアの性能を比較する際に使われる1クロックあたりの命令数のIPC(Instructions Per Cycle)についても製品を調べればわかるので、実際に高い事が予想され、Appleが言うように「World's fastest CPU core」で「World's best CPU performance per watt」なことは確かなんでしょう。
M1ではメモリはチップ内に統合しており、メモリ容量が大きいMac Pro等ではどうなるのか気になるところです。
MacBook Air
AppleはM1の紹介で10Wでのパフォーマンスが圧倒的に高い事を公表していました。インテルCPUの場合は15W程度だと通常冷却ファンを搭載するので、冷却ファンがないM1搭載のMacBook AirはM1を10Wで動作させていることが予想されます。
それでいて同クラスのノートパソコンの3倍の性能で、一般的に販売されている98%のノートパソコンより高速だとしています。
インテルの従来モデルと比較してもCPU性能は未知ながら、劣っている部分はなくこのクラスを求めている方には問題なく移行出来そうです。
この状態で15時間駆動(Web閲覧)なので、性能が高く、ファンノイズもなく長時間駆動できるなら、モバイルパソコンとしてはかなり良い製品となりそうです。
MacBook Airとは異なり、冷却ファンを搭載するのがMacBook Proで20-30W程度で動作するのだと予想されますが、CPU性能は2.8倍、このクラスで最も売れている製品の3倍の性能としています。
ここでも大幅な性能向上している事を発表しているものの、このあたりになってくると、性能比較が何と比較している数字なのかが気になってきますが、詳細はよくわかりません。
M1の紹介の小さい字で書いてある部分を読むと、旧世代の製品とベンチマークを取っていることなどが書かれていますが、詳細はよくわかりません。
ですが、CPU性能が高いという事なので、実際の性能も高いのだろうと予想されます。
バッテリー駆動時間も17時間(Web閲覧)で、性能がAirよりも高く、バッテリー駆動時間も高くなっています。
インテルの従来モデルと比較すると、Thuderboltのポート数がハイエンドモデルで4つだったのが、2つしかない、メモリが16GBまで、ストレージも2TBまでと、下位機種のモデルと同等の製品になっています。
また、Thuderboltで接続する外部GPU(Blackmagic eGPU)などが対応しているのかどうかが未知で、外付けディスプレイの接続数も1つのみのようでこのあたりは注意が必要になりそうです。
Mac mini
Mac miniに関しては小型のデスクトップで、ポート類はMacBookに比較すると多く、性能も高いようなので、問題なく移行できそうです。
M1搭載Macの買い時はいつか
M1は外部ディスプレイ出力がインテルMacよりも制限されているようです。
Mac miniの仕様によるとディスプレイ出力は、Thunderbolt経由で6Kで60Hzと、HDMI経由で4Kで60Hzの2画面にしか対応しないようです。
MacBook AirやMacBook Proは本体のディスプレイと、1つのディスプレイのみの対応で、Thunderboltで接続するeGPUの仕様も出来ない場合は、2つ以上のマルチディスプレイ環境で利用出来ない事になります。
このため、現状2つ以上のマルチディスプレイ環境で利用している方は注意が必要です。Thunderbolt 4になってもThuderbolt 3の周辺機器はそのまま使えるはずですが、機器によっては互換性の問題が発生するかも知れませんので注意しましょう。
外部GPU(Blackmagic eGPU)の対応は、MacBook Proのページには非掲載、eGPUのページには掲載(2020年11月10日現在)されいます。Appleはサポートしないとしていますので、eGPUの記載が間違っていると予想され、eGPUを利用していた方も注意が必要です。
従来のアプリも互換性を確保する仕組みを用意しており、ほとんどのアプリが動作するようですが、特にハイエンドな用途で使われるアプリがどの程度快適に動作するかはよくわかりません。
以上より
買っても問題ない方
持ち運び重視でMacBook Airの新製品が欲しい方
MacBook Proの新製品が欲しい方で、外部ディスプレイは1つしか使わない方
Apple M1ネイティブ対応のアプリなどを開発したい方、Apple M1の性能を試したい方
アップル製アプリ、Safari、iMovie、GarageBand、Logic Pro、Final Cut Proなどをメインに使っている方
すぐ飛びつかないでも良い方
Apple製以外のアプリを使っている方(Apple Siliconに対応するまで待ってもよいんでは)
マルチディプレイ環境で使っている方(次の世代は2つ以上に対応するかもね)
メモリやストレージ容量重視の方(32GBメモリ、4TBストレージとかに対応するモデルが出るまで待てばいいよね)
仮想環境を使いたい方(いろいろ新しくなってるので状況を見てからでいいでしょう)
今使ってるMacがここ2年以内くらいに買ったモデルの方(今ので十分使えるよね)
MacBookシリーズの大幅なモデルチェンジ、iPad風に使える2-in-1的Macを望んでる方(そんなの出るか知らないけど、そのうち出るかもね)