ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

ノートPCをモダン化するインテルのProject Athena

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Project Athena

インテルは2019年1月にCESで公表したノートPCのモダン化を加速する取り組みのProject Athena(プロジェクト・アテナ)の仕様を5月に開催されたComputexのタイミングで公表した。

www.intel.com

過去にインテルWi-Fiの利用をCentrinoで、PCを薄型軽量化する取り組みとしてUltrabookを展開してきたが、今後はモダン化に取り組んでいく。

PCのモダン化とは、PCの先端ユーザーが本当に求める使い勝手の良い製品にしていくといくような事。例えばスリープからの高速な復帰、長時間利用出来るバッテリー駆動時間、インターネットに常に接続できるなどはもちろん、重量や基本的な性能なども含まれる。

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今回発表されたのはProject Athena 1.0で、各社はこの仕様をターゲットに新製品を開発することになり、CentrinoやUltrabookがそうだったように、将来の製品はほぼ全てで基本的な使い勝手が向上していくことになりそうだ。

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今回はProject Athena 1.0が公表されたが、1.0とついているように将来は変わっていく事が確実。2019年の年末には対応製品が登場する。

古い使い方のユーザーの声を聞き続けることで進化が止まってしまっているような製品は市場から消えていく事になりそうだ。

DELL 第10世代Coreを搭載したXPS 13 2-in-1を発表

インテルはComputexにあわせて10nmプロセスで製造される第10世代インテルCoreプロセッサーファミリーを発表しました。

今回発表されたのはUおよびYシリーズで低消費電力の小型のノートパソコンや2-in-1製品アドに使われている物です。

各社から製品が公表されていますが、DELLもこの搭載製品を発表し、実機も公開しました。

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DELL XPS 13 2-in-1

DELLが公開したのはXPS 13 7390 2-in-1で、展示された実機に搭載されていたCPUを実際に確認すると

Core i5-1034G1 @ 0.80GHz 1.19GHz
Core i7-1065G7 @ 1.30GHz 1.50GHz

でした。

DELLによると、前世代に比べると8%薄型化し、性能は2.5倍になっているそうです。

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DELL XPS 13のメモリ

設定出来るスペックなどの詳細がわかりませんが、実機を見る限りCore i7は13インチの筐体に32GBのメモリを搭載することも可能で、同時に発表されているXPS 15は最大64GBだそうです。

XPSシリーズは従来機よりも大幅に利用用途が拡大しそうで、クリエイティブ用途などよりハイエンドな利用の幅が広がりそうです。

Dell オフィシャルサイト | Japan | Dell 日本

Qualcommがお披露目した5G対応Lenovoのプロトタイプ機

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QualcommLenovoが公表した5G対応製品

台湾で2019年5月28日から開催されるComputexにあわせて各社から新情報が出てきていますが、Qulcommからは日本でも年内に始まるという新しい通信規格の5G対応のノートパソコン「Project Limitless」がお披露目されました。

www.qualcomm.com

Lenovoの2-in-1タイプの製品で、2020年初頭の発売が予定されているそうです。

5Gのどこまで対応するかにもよりますが、従来よりもアンテナなどを含めてサイズが大きくなる事もありますが、見た目は通常の4GのLTEなどに対応する物と同じようです。

CPUはIntelAMDx86ではなく7nmで製造されるQualcommのSnapdragon 8cx Compute Platformを採用しています。

www.qualcomm.com

このプラットフォームを採用すると、5Gでの最大ダウンロード速度は7Gbps、アップロード速度は3Gbpsで、LTEや一般的な光ファイバーWi-Fiよりも速くなるようです。

通信料金、PCとしての性能がどうなのかなど、まだまだわからない事だらけです。

news.lenovo.com

IntelAMDのCPUを採用した5G対応製品なども今後発表されると思われますが、各社の5Gに対する動向が注目されます。

クリエイター向けの製品の目印? NVIDIA Studioとは何か

NVIDIAがComputex 2019にあわせてNVIDIA Studioを発表しました。
今回は最新のGPUなどは発表されず、いくつか新情報もありましたが、ちょっとわかりにくいのがこのNVIDIA Studio。

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NVIDIA Studio

NVIDIAのプレスリリースでは

NVIDIA Studio には、RTX GPU とともに、専用の SDK と Studio ドライバーで構成された NVIDIA Studio Stack が組み合わされます。このプラットフォームのハードウェアおよびソフトウェアには、最高レベルのクリエイティブ作業およびワークフローに対応できるように、厳しいテストが課せられています。

となっています。

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NVIDIA Studio Stack

要するに、NVIDIAGeForce RTXQuadro RTXを搭載し、SDKやStudioドライバーなどによるNVIDIA Studio Stackを採用し、しっかりと動作確認をした製品にRTX Studioバッジを貼り付けることが出来るプログラム。

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クリエイターは、このバッジがついている製品を選べば、安心して対応するAdobeやAutodeskなどの各種クリエイティブ系アプリを活用出来るというような事のようです。

NVIDIAが比較対象にしていたのがクリエイターが使っていることが多いAppleMacBook Pro

NVIDIAによる小さい文字の資料によると、16GB RAM、Intel Core i7-8750H CPU および GeForce RTX 2080 Max-Q を装備した RTX Studioと、2018年版の32GB RAM、Intel Core i9 CPU および Radeon Pro Vega 20 GPUを装備したMacBook ProをMaya+Arnold および REDCINE-X PROでのレンダリング時間で比較し7倍だったそうです。

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実際にComputexでは3D画像や動画の編集などが薄型のノートパソコンで快適に動いているデモを実施しました。ビデオ編集や3D画像の作成など従来ならノートパソコンでは性能不足で動作も厳しいようなハイエンドの用途でも快適に動作していました。

youtu.be

この動画の44分くらいからがデモ。

実際に最近はこの手の薄型軽量ながら、高いパフォーマンスを持つ製品は各社が展開しています。今後高性能なGPUを搭載し、クリエイティブ用途でも手軽に持ち運べる重量サイズの製品は注目度が今まで以上に高まることが予想されていて、NVIDIA Studioのような取り組みが広がれば、ユーザーも安心して製品を選べるようになるかも知れません。

nvidianews.nvidia.com