ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

ゲーミングPCを組み立てる インテル Mini-ITX編 2017年春

ゲーミングPCを2017年春に自作する場合、インテル系かAMD系かでまずは悩むことになる。

2016年に登場した第7世代CoreのKaby Lakeか、2017年3月に登場するZENベースのRyzen 7のどちらかだ。

Ryzen 7は今回のタイミングで初めて出てくるので、周辺環境含め不安な場合なら、インテル系にしておくのが無難。

ということで、ここではインテル系で選ぶ事にする。

インテル系でゲーミングPCを組み立てる場合、ケースのサイズ毎にも選択方法がある。

大きくてもいいか、そこそこにするか、小さめにするか。

ここでは個人的好みで小さめにすることにする。

ゲーミングPCに限らず、最近のPCは用意されている基本的な機能以外にビデオカードくらいしか追加しないので、小さいマザーボードで十分だからで、全体他的なサイズが大きすぎるのが気に入らないからだ。

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一番小さいケースを選択できるのが、Mini-ITXというフォームファクタで、マザーボード自体が一番小さい。それ以外はMicro ATXATXだが、ケースも大きくなる。

インテルMini-ITXマザーボード選び

Mini-ITXマザーボードだと例えば次の製品がある。

MSI H270I GAMING PRO AC

ASUS STRIX Z270I GAMING

ここでの注意点はマザーボードに使われているチップセットの違いだ。

インテルチップセットが使われているが、簡単に言うとH270よりZ270の方が高性能。Z270を使ったマザーボードの方が高価になる。

この例ではMSIのH270Iは16,000円程度、ASUSのZ270Iは28,000円程度。

Mini-ITXマザーボードの注意点

マザーボードMini-ITXを選択し、ケースを小さくする場合、ケースが小さすぎるとビデオカードやCPUクーラーが大きいと入らない場合があるので注意しなければならない。

一般的にMini-ITX系のケースは、大きなビデオカードや大きなCPUクーラーが入らない設計になっているので、ゲーミングでも問題ないケースを選ぶ必要があるが、かなり限られる。

また電源も一般的なATX電源では無い電源を選ばなければならないが、この辺はケースによっても異なる。

Mini-ITXのケースは小さいため、その中にビデオカード、CPUクーラー、電源を入れる必要があるので、各パーツの選択肢が限られ難しいということだ。

ネジなどの規格はATXと同じなので、まずはATXの電源などで自分の好きなビデオカードを使って組立、その後にそれらが入るMini-ITXケースを選ぶという方法もある。

ビデオカードとケース選び

例えばNVIDIA GeForce GTX 1080を使ったビデオカードは、長さが300mm程度あるのが一般的だ。

一般的なMini-ITXケースには入らないと思った方がいい。

NVIDIA GeForce GTX 1060でも200mm程度のビデオカードが多く、Mini-ITXケースでも大きなビデオカードが入るのは170mm程度。残念ながら選択肢がかなり限られる。

例えば、NVIDIA GeForce GTX 970の170mmのビデオカードとしてGTX970-DCMOC-4GD5があるが、1世代前の製品となってしまう。

また、この製品は厚みが41mm、高さは122mmなので、このあたりでも入るかどうかは確かめておく必要がある。

ビデオカードの世代はともかく選択肢が限られるので、本当に小さめのケースをゲーミング用途に選択するのはおすすめできない。

お気に入りのビデオカード、求めている性能がある場合はMini-ITXのケースやマザーボードに限定せず選んだ方が無難。

Mini-ITXケースでも長めのビデオカードに対応するケースは存在しており、ゲーミング用途でケースを選ぶならなるべく余裕がある物を選んでおくのが無難だろう。

ハイエンドのGeFroce GTX 1070は270mm程度あるので、大きめのMini-ITXケースには入る場合もあるが、これも厚みや高さも含めて確認が必要だ。

2017年にゲームを遊ぶならNVIDIA GeForce GTX 1060くらいは欲しいところだろう。例えばASUSのSTRIX-GTX1060-DC2O6Gの場合、218 mm×125 mm×42 mmのサイズとなる。

これが入るMini-ITXのケースではRyantek P115Aが良さそうで、これにはSFX電源が必要となる。ちなみにこのケースは280mmまで対応と言うことなので、将来GeForce GTX 1070クラスにしたくなったときにも対応できそうだ。

その他注意点

NVIDIA GeForce GTX 10シリーズは消費電力が下がっているので、400Wから500W程度の電源で対応できそうだ。ただ、Mini-ITXケースのSFXは選択肢も多くは無い。

そもそも、ケース内に、これらを組み込んだ状態でケーブル含めうまく設置出来るか、配線の問題ないか。

最終的に長時間稼働させた場合に安定して運用するかはやってみないと分からない。

結論

Mini-ITX縛りでゲーミングPCを自作するのはそれなりになれてからやった方が無難。

ケースだけMicro ATXにするとかが無難。

PC自作の鉄則! 2017(日経BPパソコンベストムック)

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モバイルパソコンを選ぶ 2017初頭

MacBook Proのファンクションキーが画面になった最新版(Late 2016)はそれまでの製品と比べて約200g軽量化している。

13インチが1.58kgから1.37kg。15インチが2.04kgから1.83kg。

日本人が日常的に持ち運ぶなら13インチの1.4kg程度の重量で問題ないだろう。

持ち運ぶMac系を選ぶならMacBookの新型が出てこない今、13インチのMacBook Pro一択である。

一方で、Windowsの場合は選択肢が多く悩ましい。

最近のWindowsの2-in-1や通常のクラムシェル製品で、13インチクラスの物は1.3kg程度の物が多い。

各社から様々な製品が出ており、TOSHIBA dynabook V82、DELL XPS 13 2-in-1、Lenovo ThinkPad X1 Yoga、HP Spectre x360などがある。ペン入力に対応しているモデルが多く、タブレットとしても本格的に利用出来る。

NECLaVie HZ350だけは800gと軽いがペン入力に非対応だ。それ以外は1.3kg前後が多い。

タブレットとしても使うなら、Windowsの2-in-1がいいが、価格は製品にもよるが15万円から25万円程度。

値段だけなら5万円程度と圧倒的に安い2-in-1のChromebookも悪くはないが、あくまでもChromebookである。

他にも2-in-1ではないが魅力的な製品、例えばLenovo ThinkPad X1 Carbon、分離するタイプの2-in-1などもある。

自分がどう使いたいかによって、選択肢も変わってくるが、従来とは違う使い方が出来る2-in-1の場合は、今までとは発想を変える必要もある。

パソコン選びの悩みは尽きない。 

 

 

Surface Studioのディスプレイ部分だけ出ればいいのにDell Canvasとか

マイクロソフトSurface Studioを発表した際、誰もが思っただろう。

www.youtube.com

このディスプレイ部分だけ出ないかな。

27インチのタッチパネル、ペン入力対応のディスプレイをDELLCanvasとかいう名前で出すらしい。

www.youtube.com

2017年1月のCESで公表している。

4月頃発売し、1800ドル程度(20万円くらい)とか。ペンはワコムの技術が使われている。

Surface StuidoはPCも含めたオールインワン型の製品でディスプレイの可動機構含めて良く出来ていそうだが、残念ながらそこそこ高い。普通の仕様にすると40万円くらいにはなる。

DELLCanvasは既存のPCとかにも接続できるだろうから、出費はディスプレイだけ。

ディスプレイの解像度は2560 x 1440のいわゆるWQHDとかと言われている物。

Surface Studioは4500 x 3000なのでこれと比べるとだいぶ見劣りする。

ワコムはCintiqという製品を出しているが、ディスプレイを含めた場合、業界最大手のDELLなどに任せ、ペンだけに特化するのがビジネス的には妥当だろう。ワコムからのこの手の製品は終息し、ペン技術が残っていくというのが正常な流れ。

追記

2017年2月22日に開催されたDELLの法人向け製品やモニターの発表会でDell Canvasを「前向きに検討」している事が語られたようだ。

www.itmedia.co.jp

安いそこそこのゲーミングPCを考える

ゲーミングPCと言ってもいろいろとあるが、ローエンドのそこそこゲームが満足して遊べるPCはおおよそ10万円くらいからとなる。

何でもいいならもっと安くてもなんとかなるが、画像の品質をそこそこに、ゲームを遊ぶ上でそこそこ快適に使用と思うと、どんどん値段がつり上がっていく。

例えば画像の品質を上げるのはビデオカードだが、2万円くらいから10万円くらいまで。

ゲームの起動時間を上げるにはストレージの読み書き速度を速くする必要があるが、これも容量との関係があるが1万円から10万円程度までピンキリだ。

CPUも2万円くらいから5万円以上までいろいろある。

そこそこのゲーミングPCは10万円くらいから

例えばノート型のゲーミングPCで価格がこなれているOMEN by HP 15-ax200は11万円程度から。

MSIのゲーミングシリーズのエントリー機種、DELLのInspironゲーミングなども同程度となる。

デスクトップの場合は事情が変わってくる。

デスクトップの場合、本体のみで10万円くらいからとなる。これにディスプレイやそこそこのキーボードとマウス等を追加していくと安くても13万円くらいからとなる。

それぞれ品質を上げれば上げるほど、価格は上がっていく。

ノートの場合は、初めからそこそこの仕様で全セット購入できるが、実質メモリくらいしか後から変更できないが、デスクトップの場合、後でビデオカードを変更するようなことが可能。

ゲーミングPCをどうするか

すでに何らかの周辺機器等があるなら、場合によってはデスクトップを買った方が安く、将来の拡張性もある。

しかしながら、すべてそろっているノート型のゲーミングPCは11万円くらいからで購入できるので、他に買うべき物はまともなマウスくらい。

デスクトップPCの場合、本体のみで10万円くらい。これにディスプレイ、キーボード、マウスで少なくとも13万円くらいにはなる。

とりあえず13万円くらいで購入し、あとで予算が出来たら、ビデオカードを変更したりすれば、次の世代のビデオカードが出てきたときに最新に近い環境でゲームを続けられる。

例えばNVIDIAの現行世代のPascalアーキテクチャを使ったGeForce 10シリーズの後継は2018年頃と考えられる。その次は2020年頃だろうか。

つまり、仮に13万円でそこそこのデスクトップPCを購入し、2018年に2万円から3万円かけてビデオカードを交換すれば、そこそこの性能で最新のゲームも楽しめる。

13万円仕様ならディスプレイはフルHDだが、その頃には4Kクラスのディスプレイもそれなりにお手頃になっていることも考えられ、より画像はきれいになることもあるだろう。

ノートだと、メモリの増設くらいしか出来ることは無いが、スキルがあればストレージの強化くらいは何とかなるかも知れない。

この辺で強化できるのはパソコンとしての基本性能だけで、ストレージを強化すればゲームのロード時間などは短縮できる物の、ゲーム性能としては大して上げられない。

仮に3年使った後は、普通のパソコンとしてはそこそこ使えるが、ゲーム性能としてはイマイチになりやすい。

ゲーミングPCの選び方

面倒な事抜きにお手軽にPCゲームを遊びたいなら、11万円くらいからのラップトップ型のゲーミングPCから始めるのも悪くはない。

デスクトップ型の場合は、もう少し初期コストは高くなる。その後、数万円の予算を出せスキルもあるなら、より長くハイエンドの環境でゲームを楽しめる。

それなりに重いながらも、持ち運ぶ事も出来るがそれ以上の拡張が実質不可能なノート型、家で遊ぶしかないが、予算さえあればいろいろといじれるデスクトップ型。

どちらがいいかは予算やライフスタイルに合わせたい。