ヘッドフォン自体に心拍数系が埋め込まれていて、ヘッドフォンで音楽を聴きながら心拍数が取得できる「SMS Audio BioSport Earbud」という製品があります。
インテルの技術によって、ヘッドフォンからの微弱電流だけで、別途バッテリー不要で一見普通のヘッドフォンながら音楽を聴きながらも心拍数がわかるという製品です。ヘッドフォンなのにIntel Insideロゴがあります。
実際にこの製品を試してみました。
大きさ自体はスポーツ用のヘッドフォンとしては若干大きいですが、特に気になることも無く普通に耳に装着することが出来ます。耳の中に押し込むインイヤータイプでは無く、軽く装着できるタイプなので、足音が響くというようなこともありません。サイズは3種類用意されていて、私は中間のMがちょうどいいみたいです。走ったり振動があっても落ちることはありませんでした。
IPX4相当の防水機能があるので、多少の汗や小雨程度なら問題ないでしょう。
iOSとAndroidに対応しており、RunKeeperというアプリとの連携で、ワークアウト中に音楽を聴きながら心拍数を測定することが出来ます。
耳での心拍数測定は腕に取り付けた機器での心拍数と同等の数値が表示され、バッテリーなしでも測定でも問題ないようです。
残念ながら音質はスポーツ用のヘッドフォンと同等で、あまり良くはありません。ケーブルはいわゆるきしめんケーブルで、絡まったり切れたりする心配はあまりないようです。
問題は実際にワークアウト中にどれだけ使えるかという点ですが、私が試したところでは、いくつかの問題が発生しました。
問題点
- ワークアウトを開始する際に音楽が鳴ったと思ったら勝手に止まってしまう。
- 音楽が鳴ってご機嫌にワークアウトをしていたら、肝心の心拍が未接続状態になって記録されていない。
何が悪いかまでは検証していませんが、RunKeeperアプリ側の不都合の可能性が高く、筆者が試した2014年5月現時点では残念ながら動作に不安定な部分があるようです。
現時点で、音がなぜか鳴らないときは心拍数が測定でき、音が鳴ると心拍数が測定できなくなるという、この機器としては致命的な欠点があるようです。もしかしたら私が使用している個体だけの問題かもしれませんが。
一般的に心拍数を測定するには別途心拍数系が必要でしたが、これがヘッドフォンと統合されていれば面倒な機器との接続や、充電等の手間が減ります。
ワークアウト中は余計な機器も持ち歩きたくないでしょうから、スマートフォンとヘッドフォンだけで心拍数まで計測できるようになれば、なかなか便利そうです。
ただ、私が今回試した環境(iPhone 6, iOS 8.3, RunKeeper 5.5)では上記の不都合がありました。この不都合が無ければ、なかなか面白そうなフィットネス関連機器になりそうです。
これと関係ないところの問題では値段が高いと言うことでしょうか。
海外では150ドルほど。日本だと2万円近い金額です。そこそこのヘッドフォンと、心拍計を買うと2万円くらいになりますが、どうせならもっと安くなって欲しいところでしょうか。
また、ヘッドフォンジャックの部分がL字型なので、スマートフォンのケースによっては接続に邪魔になる可能性があります。