ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

中国深圳(シンセン)の電気街と日本の秋葉原は全く別の街

http://www.flickr.com/photos/43797599@N05/6257501787

photo by duabelas

中国、深圳の発展ぶりは日本でも話題のようで、日本から訪れた方の感想を読んで、日本の秋葉原の存在意義が危なくなっていると誤認識している方も多いようです。しかし、街自体の産業構造はそれぞれ異なるので、秋葉原が危ないというのは意味がちょっと違います。

日本の秋葉原は時代によって扱う商品が変わりつつありますが、最終商品を中心として、一般量販店や問屋、電子部品を扱う店があるのが電気街としての秋葉原でしょうか。現在は総合電気街にアニメや漫画、アイドルといった別のカルチャーが融合しつつある別の街へと発展しつつあるような状況でしょうか。

電気街としては、パソコン系が減り、電子部品を扱う小さな店も減りつつありますが、白物家電からパソコン、携帯電話や電子部品、怪しい商品まで、一通りの商品や、趣味や急ぎで電子部品を探すにはちょうどいい店があるのは以前から変わっていません。

一方で、中国深圳の電気街は最終製品もありますが、秋葉原のような、一般消費者向けにも楽しめる総合電気街というよりも、部品系を中心とした業者が利用するような店や、それに関連する企業が沢山ある街と言った方がいいでしょう。

深圳には、秋葉原にあるような部品屋や怪しい商品を扱う店が秋葉原以上の規模で大量に存在しています。さらに、新デバイスを開発する際に必要な産業構造が一通りそろっています。この循環によってものづくりとしての電気街が発展しており、設計から量産まで、全てこの街で一気に出来てしまえるのが深圳といった感じでしょうか。

秋葉原でも部品を購入して、試作をするようなことは出来ますが、深圳では開発はもちろん、それを最終的に製品にするまでの工場を含めて、各種産業がそろっています。

何か新ビジネスを始めたいなら秋葉原で部品を探して、日本で開発するよりも、深圳に行って現地のその分野に得意な企業に相談した方が手っ取り早いでしょう。この面では秋葉原は深圳には完敗しています。

一方で、一般消費者にとっては、部品や開発よりも最終商品が重要ですから、日本の秋葉原はまだまだ存在意義があります。また、小ロットで電子部品をその場で購入するには便利な店も多く、今のような秋葉原という街は少なくとも東京圏には欠かせない街であり、今後も生き残っていくでしょう。

一方で、深圳はフォックスコンのような大規模な電子製品を製造工場が存在し、さらに新しい何かを作り出したい人向けの産業構造があります。

このため、電子系を中心にした新ビジネスが続々と生まれている街で、日本の秋葉原とは違うので、単純比較するべきではありません。

D09 地球の歩き方 香港 マカオ 深圳 2014~2015

D09 地球の歩き方 香港 マカオ 深圳 2014~2015

 
香港・深セン&マカオ夜の歩き方

香港・深セン&マカオ夜の歩き方

 
深圳の夜

深圳の夜