先日Microsoftから発表されたノートパソコン型のSurface Bookですが、アメリカでは2015年10月26日から出荷が始まっています。
この製品のMicrosoft公式ストアのMicrosoft Storeでの展示は出荷開始の数日前から始まったようです。すでに多数のバックオーダーを抱えているため、執筆時点の10月下旬の注文で最短で12月、最上位モデルは来年1月に出荷という状況になっています。
筆者もたまたま滞在していたアメリカで実機を確認しましたが、注目されるだけの製品に仕上がっているようです。
Surface Bookは出荷数の少ないプレミアム市場向けの製品
まず認識して欲しいのが、Surface Bookはパソコンの出荷台数でも数少ないプレミアム製品に位置づけられた製品だということです。
価格も安くて15万円程度。高いと30万円を超える製品は、日本以外ではほとんど売れていません。このため、当初の生産台数が少なすぎたため、多くのバックオーダーを抱えてしまう結果となったようです。
その原因は、この手のプレミアム製品の需要はそれほど高くなく、年間3億台出荷されていると言われているパソコン市場の数%程度を、各社の製品がしのぎを削っています。
Microsoftが直接のライバルとしているのはAppleのMacBook Proですが、こちらは各種クリエイター等のパフォーマンスを必要とする用途を中心に愛用者が多いです。
ここに、2-in-1タイプのデタッチャブル型とペン入力への対応で、次世代感を出したWindowsのプレミアム製品としてMicrosoftが投入したのがSurface Bookとなります。
製品の出来は非常に好印象だが厚みが
実際に2-in-1のデタッチャブル機構をみると、キーボード部分にNVIDIAのGPUが取り付けられていることもあり、事前に電子的なロックを外さないと取り外せない機構になっています。この機構は非常にスマートで、一見すると2-in-1である事すら解らないデザインとなっています。3年ほど前のデタッチャブル製品と比較すると、隔世の感があります。
ヒンジ部分は2014年に発表されたLenovoのYoga Pro 3のような、見た目にも新しいヒンジとなっています。ただし、Yoga Pro 3とは異なり折りたたんだ状態を見ると、液晶部分とキーボード部分に隙間があり、このために厚みも犠牲になっています。
本来はたたんだ状態で14mm程度に出来るところ、22mmとなってしまったのはキーボードや、キーボード部分の回路によるところが原因なのでしょう。
唯一気になるのはこの厚みの部分だけで、それ以外は非常に良く出来たデタッチャブル型2-in-1製品となっています。
タブレット使用はおまけ
同じようなデタッチャブル2-in-1製品の多くは、液晶部分の本体側にほぼ全ての機能を持たせています。電源も液晶部分に接続する形状になっている物が多いです。一方でSurface Bookはキーボード部分に電源を初めとした主要機能があり、キーボード込みで使う事を前提とした製品です。
Surface Proシリーズはタブレットとして使う事を前提とした製品ながら、実質キーボードカバー込みで使っているケースが多いです。一方でSurface Bookはキーボードが必須の製品で、タブレット利用はおまけ的な位置づけと言ってもいいかもしれません。
その重要なファクターとなるキーボードやタッチパッドの品質は高く、短期間の確認では十分ノートパソコンとして活用出来る品質なことがわかりました。
それ以外の要素はこれから
MacBook Proにないペン機能もSurface Proシリーズ同様に品質は高いです。
これで東芝のTruシリーズのような、紙のノートのように使えるソフトが利用出来れば、ユースケースも広がると思います。現行のOneNoteの文字認識機能程度では、ペンの活用はイラストを描くくらいしかなさそうです。
ここではたまたまLenovoのYoga Pro 3のヒンジ、東芝のTruシリーズソフトを引き合いに出しましたが、Windowsの利点は同じプラットフォーム上に機能の異なる他の製品がいくつも存在している点です。
MacBookシリーズはアップルしか提供しておらず、数機種の中から選ぶしかありませんが、Windowsの場合Surfaceシリーズを選んでもいいですし、他社から提供されている主従機種以上の中から製品を選ぶ自由もあります。
おそらくプレミアム製品を提供している各社は、Surfaceシリーズ以上に魅力を持った製品を提供することになるでしょう。
Surface Proも短期間に機能が向上しましたが、Surfece Bookも同じように1年後に登場しているだろう製品はさらに機能強化されるでしょう。
さらに、他社もより高性能な製品を提供することになり、少なくともパソコンのWindowsエコシステムは今後もより良い方向に動いていきそうです。