VAIOはソニーから独立して、数を追わない着実な製品展開と、その技術を生かした製造受託事業で2015年度はV字回復したそうです。
PC事業では法人向けのVAIO Sシリーズが好調だったそうです。
VAIOになったときから、モバイルに尖ったVAIO Zシリーズ以外の、法人向けのVAIO Sシリーズも展開していました。
法人向けは、商談次第でそれなりの台数が見込めるので、VAIO創業時からこのラインは提供されていました。大田新社長就任時に営業部門が設立されたことも、法人向け製品の影響が大きかった物と推測されます。
この確実に台数が見込める分野に、普通の一般的なノートパソコンがあります。
画面サイズで15.4型の液晶を搭載した普通に自宅で使うパソコンです。
これが最も売れているパソコンで、ここにVAIOは性能などのスペックでは無く、デザインに特化したVAIO C15を投入します。
VAIO C15はプラスチックの成形時にフィルムを挟み込むインプリントと呼ばれている成形技術を使って、このデザインを実現しています。この製品でどこの技術が使われているのかは不明ですが、インプリントの技術は日本写真印刷株式会社のNISSHA IMDが世界的に有名で、HPのパソコンでも採用されています。
VAIO C15は日常生活に溶け込むデザインで、服や雑貨の様に見た目だけで選ばれるような物を目指しているようです。全部で4カラーで展開されます。
実機のデザインをどう見るかは、人それぞれなので、VAIOのサイトや実際の店舗などで確認していただきたいです。BEAMSの店舗でも展示されるとのことです。
個人的には銀、黒、白といったおきまりのパソコンカラーではなく、すでにHPなどが行っているデザインにこだわったパソコンとも異なるコンセプトで、面白いチャレンジだなとは思います。
しかしながら、製品としてはまだまだ詰めが甘いところも多く、筐体下部分は全部黒で、コストを抑えている事が見えます。VAIO Zシリーズのように筐体の形状を含めたデザインにまでは踏み込んでいません。パソコンとしての機能も取り立てて取り上げる何かはありません。
また、VAIO Cシリーズと言えばソニー時代にもこれに近い製品展開をしていましたので、戦略を誤って安売り展開をし出すとまた前のVAIOに戻ってしまいかねませんが、おそらくそうはならないのでしょう。
今回の製品は、売れ筋のパソコンでデザイン特化な物を投入するという、新しい提案の1つだと思います。
デザイン自体は各社がすでに行っていますが、日常になじむような色にしてみたらおしゃれだと思って買う人がいるんじゃなかろうかというテスト販売品にも見えます。
そんなことが出来るVAIOという会社はなかなか面白いんじゃ無いでしょうか。