ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

インテルのLunar Lake(2024年末登場予定の新Core Ultra?)は順調っぽい

PCの開発には一般的に2年程度はかかります。
筐体から電子回路設計、各種検査、耐久性確認などすべて含めた場合で、1年半程度で形にして最終的な調整をしていくので、おおむね発売の半年くらい前には発売する製品と見た目は同じ物ができあがります。

2024年末に発売するなら、2024年中頃に物が出来ていれば、発売に近づいていることがわかります。
もちろん、これが一部機能改良しただけの製品などの場合は、設計などを多少改良するだけなので、開発期間も短くなります。

Intel Lunar Lake

インテルの次世代プロセッサLunar Lakeとは

インテルが2024年第3四半期に正式発表し、2024年末に製品が発売する次世代プロセッサがコード名Lunar Lakeです。
Lunar Lakeは現行のCore Ultra(Series 1)(コード名Meteor Lake)の次世代製品で、Copilot+ PCで必要なNPU性能を満たす48TOPSを実現し、ワット当たりパフォーマンスも非常に高いことがなどが特徴となっています。

単純にプロセッサを取り替えて微調整するだけでなく、回路全体の見直しが必要なので、実質一から設計するようなことが必要になります。

そのためにはエンジニアリングサンプルを各社に提供して実機で開発してもらう必要があります。当然ながら実際にサンプルが出来ていないとそれは出来ません。

2024年6月時点のLunar Lake

youtu.be

今回のLunar Lakeは2024年6月に開催されたComputexで実際に動作する製品が、各社が展示していました。積極的にデモを行っていたのがインテルブースで、レイトレーシングやXeSS(NVIDIAでいうDLSS機能)をつかった実際のゲーム動作デモ、前モデルを圧倒的に上回るNPUパフォーマンス、ワット当たりパフォーマンスが半分程度になっているデモを行っていました。

Computex 2024でのIntelのLunar Lakeのデモ

2023年末に発売したMeteor Lakeの時は、一部限られた環境でしかデモを行っておらず、実質Computexでは状況がよくわからない状態でした。

Lunar Lakeは、6月の段階で搭載予定の実機が各社から多数展示されていたので、開発は順調に進んでいることは予想できます。

左のLunar Lakeの実機にはCore Ultraというロゴがある

2024年末のCPU競争

2024年6月にQualcommのSnapdragon Xシリーズ搭載モデルが発表されます。
消費電力あたりのパフォーマンスが優れているとされ、従来のWindows PCよりもバッテリー駆動時間は延びることが期待されます。
また、AI関連で注目のCopilot+ PCに対応する初のモデルという事でも注目されています。

一方で、Windows on Armのため従来のx86アーキテクチャのソフトウェアがそのまま動作しない互換性問題があります。

その互換性問題がないのが、インテルAMDのプロセッサになります。
現行のインテルCore Ultraは今買える製品ですが、AMDRyzen AI 300シリーズ搭載モデルは最短で2024年7月に発売になるようです。これもCopilot+ PCに対応できますが一部問題があります。Copilot+ PC機能がいつ対応されるのか不明ということです。

Snapdragon Xシリーズは6月の発売直後に対応が始まるようですが、最速で提供されるRyzen AI 300シリーズは間に合わないようです。

つまり、Ryzen AI 300シリーズ搭載モデルを選んでも、Copilot+ PC機能が使えない間は、独自に特定のソフトのAI機能を使いたい場合を除くと、AI機能の使い道がほとんどない状態が続きます。対応がいつになるのかわからない状態は当面続きます。

その後に登場するのがLunar Lake搭載モデルとなります。
2024年末には発売するようですが、それが2024年10月から12月のどの時期になるのか、どの会社のどのモデルが真っ先に出てくるのかなど全くの未知数となっています。また、Copilot+ PCの機能が発売時点で対応するのかも不明です。

Copilot+ PC機能は使えないが今すぐ買えるCore Ultra(Series 1)、Copilot+ PCの機能も使えるSnapdragon X Seriesだがソフトの互換性問題がある、ソフトの互換性問題はないがCopilot+ PCがいつ使えるかわからないRyzen AI 300 Series、ワット当たりパフォーマンスが大幅に向上するLunar Lake(コード名)。

2024年末までのPCのCPU競争はかなり激しくなります。