ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

IoTなエアコン選び(HEMSとも言う)

家庭用のエアコンに、スマートフォンでの操作機能がつき始めている。
インターネット経由で状態の監視や操作、通常のリモコンよりもリッチな操作がスマートフォンの専用アプリでできるようになっている。

これをできるようにするには、エアコンに対応機器(大抵はWi-Fiモジュール)を付ける必要がある。

そもそもそんな機器があるのかないのか分からない会社、ゲートウェイ(Wi-Fiホストみたいなの)が必要な物など、会社によって対応がだいぶ違うので2017年春現在の状況をまとめてみた。 

三菱電機

www.mitsubishielectric.co.jp

専用アダプタを専門業者に取り付けてもらう事が必要。

富士通ゼネラル

www.fujitsu-general.com

専用アダプタが必要。取り付けは業者。

ダイキン

www.daikinaircon.com

専用アダプターが必要。取り付けについては不明。

シャープ

www.sharp.co.jp

専用アダプターが必要。取り付けについては不明。

日立製作所

kadenfan.hitachi.co.jp

専用アダプターが必要。取り付けについては不明。

Panasonic

panasonic.jp

エアコン自体に別売り専用機器が必要で専用ゲートウェイも必要。

専用機器の取り付けは2017年モデルは自分で可能。2016年モデルは不可と書いてある。

東芝

www.toshiba-lifestyle.co.jp

機能自体はあるみたいだけど、Webだとよくわからない。

三菱重工

ないみたい。

 

ホビー用途のドローン選び 2017年春

ホビー用途のドローンは2種類に分けられると思います。

飛ばすことを楽しむだけの飛べばいい物。

撮影が目的の物。

飛ばすだけなら、数千円のおもちゃもありますが、撮影が目的なら少なくとも数万円の高機能なカメラ機能がついている物を選ぶ事になると思います。

性能だけでホビー用ドローンを選ぶならDJI Mavic一択か

いろいろ条件はありますが、1台だけベストな物を選ぶなら「DJI Mavic」一択ではないでしょうか。

www.dji.com

価格は13万円程度で、画質もよく、サイズも小さく、動作も安定していると思います。

しかしながら、日本で飛ばすには航空法を守る必要があります。

一定地域内で飛ばすには10営業日前までに申請して許可を得なければなりません。

山の中とか、許可が不要な地域だけで飛ばすとかのホビー用途ならばいいのですが、規制の関係で一般的にはほとんど使い物にならないのではと思います。

そこで許可が不要なドローンを選びたくなると思います。

許可不要な軽量なドローン探し

許可が不要なドローンは、重量が200g以下の物とされています。

前述のDJI Mavicは734gで話になりません。このクラスではだいぶ軽いのですが。

200g以下のドローンは2016年頃から徐々に種類も豊富になりつつありますが、これを選んでおけば問題なしというのにはなかなか出会えません。

強いて言えば、ZerotechのDobbyが良さそうです。価格は5万円前後です。

カメラの画質もそこそこよく、プロペラカバーを付けない状態でギリギリ200g以下。航空法の規制ではプロペラカバーは含まれないようですので、安全を見るとカバーを付けて飛ばすのが良さそうです。

www.zerotech.com

www.youtube.com

ドローンに何を求めているかにもよりますが、日本の規制200g以下の分野はまだまだ伸びると思われますので、2017年中にゆっくり選ぶのも良し。

今すぐに買いたいなら、Dobbyなんかを買ってしまうのもいいような気もします。

空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? ドローンを制する者は、世界を制す
 

 

YouTubeの配分率はSpotifyやApple Musicと比べて安いのか問題

YouTubeで日本のミュージックビデオが海外で視聴できないことに関する記事から、何が悪いのかを解説しました。

allaboutkamikura.hateblo.jp

ここで紹介したITmediaの記事にはTechCrunchからの情報として次のことが書かれています。

2015年の米TechCrunchの記事によると、「YouTube Red」の規約に署名した場合YouTubeパートナーに支払われる収益の割合は55%。これは当時の定額制ストリーミング配信サービス「Spotify」の70%、「Apple Music」の71.5%に比べてかなり低い数字になる。

そもそもこの収益率は、比較対象となるベースが異なります。
収益が支払われる割合が高いか低いかを、このデータだけで比較することは間違っていると言えます。

YouTubeは動画配信サービス、SpotifyApple Musicは音楽配信サービス

まず大きな違いは、YouTubeは動画配信サービスで、SpotifyApple Musicは音楽配信サービスであるという点です。

YouTubeは動画と音声をストリーミング配信する必要があります。SpotifyApple Musichは音楽しか配信しません。

必要なリソースは何倍も異なります。音楽が1曲5MBなら、動画は解像度にもよりますが少なくとも数倍、場合によっては10倍以上のデータ量となり、それに伴うコストも数倍になります。

つまり、動画配信にかかるコストは、音楽だけに比べてかなり高いと言うことです。

YouTubeは基本広告、SpotifyApple Musicは有料会員

YouTubeSpotifyApple Musicの収入源もそれぞれ異なります。

YouTubeは広告配信による収益がほとんどで、その中の一部に有料会員YouTube Redがあります。記事の支払い率が正しいとして、それぞれの総収入の55%が動画配信者に支払われていると予想されます。

SpotifyYouTubeと同様に無料による広告収入と、有料会員からの収入があります。Apple Musicは有料会員からの収入のみとなります。

YouTubeの広告は動画の広告など、商品により異なりますが、動画の広告が基本です。Spotifyの広告は音声による広告です。

それぞれ異なるサービスを比較するのは間違い

例えば、AndroidiPhoneのアプリ配信において、GoogleAppleは30%を販売手数料としています。それぞれ同等のサービスを提供しているので、30%の手数料は同一と言えます。

例えば、任天堂のゲーム機向けにゲームを販売する場合、カートリッジやディスクなどを任天堂に製造してもらう必要があります。おそらく任天堂の手数料は販売価格の30%ではないでしょう。

動画配信サービスでミュージックビデオの再生が基本のYouTubeと、音楽配信SpotifyApple Musicの比較は正しくはないです。

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YouTubeで日本のミュージックビデオが海外で視聴できない原因は誰にあるのか

nlab.itmedia.co.jp

ITmediaに日本のミュージックビデオの多くが海外で視聴できない状態にあり、その原因がYouTube Redの契約に起因する物だとした記事があります。

流れとしては

  • YouTubeが定額料金を払えば広告を見ないでもいいYouTube Redというサービスをアメリカ等で開始した。
  • このYouTube Redが始まったタイミングで日本のミュージックビデオがアメリカなどで視聴できなくなった。
  • YouTubeによる収益は通常よりも低く(記事によれば55%)、他のストリーミングサービスと比較して2割ほど低い。
  • この低い収入を日本のレーベルが受け入れていない。
  • これによりYouTube Redの視聴地域では視聴制限がかかっている。

これによって、日本のミュージックビデオが海外の一部国で視聴できない状態になっています。

これは誰が悪いのでしょうか。

YouTubeは基本広告なしでだれもが無料で使えるサービス

まず、YouTubeは無料で動画を視聴できるサービスです。誰もがオリジナルの動画をアップロード可能で、世界中の人に見てもらえるサービスです。

そのオリジナルの動画をアップロードする人は、広告を配信することが可能となっています。広告設定をするかどうかは動画配信者が広告収入を得たいかどうかで決まります。

つまり、広告収入が必要なければ、広告なしで動画を全世界に配信できるということです。この場合、YouTubeが勝手に広告を設定することはないので、広告なしで動画は視聴できます。

動画投稿者が収入を得たい場合

一方で動画投稿者は投稿した動画をある程度収益化したいと考えます。

そこで、YouTubeは広告配信ができるサービスを提供しています。これによって年収億単位で稼ぐ人も出てくるなど、いわゆるYouTuberが多数登場しました。

一般の動画サービスとして定着したYouTubeに、ミュージシャンがミュージックビデオを配信することが増えてきました。

例えばVEVOYouTubeと共同してミュージックビデオを全世界に配信するなど、曲によっては数十億回の再生回数になっている物もあります。

この再生回数の多い動画に広告を付けることで、アーティスト側は収入を得ることができるようになっています。

サブスクリプションサービスYouTube Redの導入

YouTubeで様々な動画を視聴していると、新しい動画を視聴する度に広告が表示され、面倒に思う方も出てきます。

そんなユーザーの中には、お金を払って広告を表示しない用にして欲しいと考える人もいます。

そこで月額1,000円程度の料金を支払うと、広告無し、スマートフォンでのバックグラウンド再生、ダウンロード視聴などができるYouTube Redを2015年10月にアメリカで開始しました。

通常の広告とYouTube Redによる収益の違い

YouTube Red自体サービス開始から徐々に利用地域を広げていますが、まだ一部の国でしかサービスされていませんし、ユーザーはそれほど多いとは言えません。

それでも、動画投稿者にはYouTube Redによる収益がどのくらいあるのかはわかります。

YouTube Redが使用出来る地域での視聴割合が5%以上10%以下の、あるYouTubeチャンネルの収益例です。

広告付き再生12万回で96ドルの収益、その期間、YouTube Redは159回の再生があり、0.10ドル程度の収益があったという結果です。

この例ではYouTube Redの再生回数が極端に少ないので正確とは言いがたいですが、収益割合はほぼ同じとなります。

少なくともこの結果だけ見ると、通常の広告付き動画も、広告がないYouTube Redの収益もほとんど変わっていないわけです。

ただし、広告は再生される国、広告の商品内容などによって変わるので、これは全体の平均ではありません。少なくとも、YouTube Redと契約することによって広告収益が大幅に下がると言うことはない事が分かります。

YouTubeで視聴制限をかけているのは誰か

日本のミュージックビデオが海外で視聴できないという話は、YouTube Redを開始した2015年当初から海外から出ていました。

YouTube Redによる規約改定に合意していないために、YouTube Redの利用可能地域での視聴ができなくなった事が原因と考えられます。

YouTubeとしては、新しいサービスを開始するので、それに合わせた規約に合意して欲しいと思っている。日本の音楽レーベルは、新しいサービスの導入判断が一般的に遅く、YouTube Redに関しても日本でサービスされていないことからこれを受け入れていない。

という状況と思われます。

これはどちらが悪いのでしょうか。

ミュージックビデオの配信目的は何か

ミュージックビデオはそもそも何のために制作しているのでしょうか。

当初は、音楽(レコード)を売るためにテレビで流す宣伝の1つだったようですが、時代と共にその目的も変化しています。

今ではミュージックビデオ自体が作品になっており、これありきの音楽という物も存在します。

音楽のミュージック自体は、レコード、CDからダウンロード販売、ストリーミングへとサービスの形態を変えています。ミュージックビデオもテレビ、VHS、DVDから広告付きのネットでの視聴、有料配信など様々な物が登場しています。

その中で今回の話題となっているYouTubeでの広告付きの動画配信サービスの利用、YouTube Redのような定額視聴料による収益が得られる配信も行われています。

当初の宣伝だけが目的なら、広告をつけなくても、定額利用料であったとしても、全世界で配信を許可するようにするだけで問題は解決します。

YouTubeを使わなくても他のサービスを利用することもできます。

しかし、ミュージックビデオから収益を得たいと考えた場合は、収益を最大化したいと考えるのが普通でしょう。

新しい契約には合意せず、収益の状況の様子を見たり、自社に有利な条件を引き出すというような選択肢も可能です。

Google傘下のYouTubeは規約に合意しなければ使わなくてもよい」というのがYouTubeGoogleの基本姿勢です。これに異議を唱えたい方もいますが、圧倒的な利便性とそれに伴うデメリットを天秤にかけ、受け入れている方がほとんどでしょう。

現状でレーベル側は、動画再生から得られる利益を最大化したり、定額配信に曲を提供することでのデメリットを考えているのでしょう。そのため、視聴数が圧倒的に少ない海外での視聴を止めても問題ないと判断している状況です。

その状態を1年以上続けて、海外のファンを拒否しているレーベル側の問題も深いと思われます。

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