テレビ番組の「タモリ倶楽部」2016年1月23日放送分で、インド料理でよく出てくるナンは北インド料理で、インド人のほとんどは食べたことがないという話題がありました。
この放送回は、ナンを作るためのタンドール釜を日本で作った人を焦点にした番組構成でしたが、この内容に衝撃を受けた人が多かったようです。
この手の話は南インド料理愛好家には当然の話ですが、自称インド料理好きのエセカレー評論家は知らない人も多いようです。
まず、ナンを作るためにはタンドール釜が必要になりますが、これは北インドが発祥とされています。このナンの材料は小麦粉ですが、このような料理はインドでも高級料理なので庶民的なレストランでは出てくることはありません。
このため、大金持ちで北インド出身でもなければインド出身でもナンを食べたことがないというのは十分ありうる話です。
インドはこのように地域毎に食べられている食材が異なりますが、大きく分けると小麦粉系の北インド料理、米系の南インド料理となります。
インド全土であまり違いが無いのは、インドの定食でしょうか。地域によって呼び方が異なりますが、北インドではターリー、南インドではミールスと呼ばれています。
店毎で味や特徴も異なりますが、日本の定食屋のインド版ではターリーかミールスを食べることになります。
例えばミールスはこれになります。
この店では揚げパンのプーリーも出されて写真ではこれが邪魔していますが、銀色の小鉢に何種類かのカレーが盛られており、米やプーリーと一緒に食べるパターンになっています。
そもそもカレーというのは… という話はここで止めておきましょう。
一般的なインド人が外食すると言ったらこれが定番となります。もちろん他にもいろいろとありますが。
この画像のミールスを見て分かるのは米が白いことでしょう。
日本ではなぜかサフランライスが人気ですが、インド人はナンと共にサフランライスも食べたことがないと思われます。
一般的にインド料理店で米を頼むとサフランライスが出てきますが、これはインド以外で勝手に広まっている米料理です。インドでは白い米が一般的に食されています。
その米の中で最高峰と言われているのが、バスマティーライスです。香りが米の中で最高と言われ、バスマティーライスを使った南インド料理のビリヤニは最高の料理とも言われます。
はじめてのインド料理―HEALTHY WAY TO INDIAN COOKING
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