ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

iPhoneがUSB Type-Cに対応しない個人的考察

f:id:AllAboutKamikura:20210918173652j:plain

iPhone 13シリーズが2021年9月15日に発表されましたが、一部で待望論があるUSB Type-Cコネクタ(Apple的にはUSB-Cポート)ではなく、2012年から続いているLightningが継続して使われています。

Macは業界でも真っ先にUSB Type-Cに対応し、今回のタイミングでiPad miniもUSB Type-Cに移行し、iPadもUSB Type-Cにほぼ移行しました。
業界でも先駆者とも言えるAppleが、iPhoneシリーズでUSB Type-Cに対応しない理由を個人的に考察してみました。

Appleはどこに向かおうとしているか

Appleが常に向かおうとしているのはシンプルな方向です。

他のポートを採用せずに、MacではUSB Type-Cだけにするなど、常に業界でも最先端の技術を採用し、シンプルな方向に行こうとしています。

iPhoneなどでは今や古くなったヘッドホンジャックも無くすなど、現時点で存在するのはLightningポートのみです。

次にシンプルにするとすれば、USB Type-Cにすることではなく、このポート自体をなくす事。つまり、Lightning自体をなくす事だと考えられます。

現時点で、iPhoneがLightningを使うのは充電と、他の機器等へのデータの転送です。ヘッドフォンの使用もあるかも知れませんが、ほぼBluetoothで問題ないでしょう。
Lightningを使わない無線充電は2017年のiPhone Xから対応しました。無線充電の問題は位置あわせが難しいことです。この問題も2020年のiPhone 12等でのMagSafeで、設置位置をほぼ配慮せずに充電が出来るようになっています。

2021年に販売されるApple Watch Series 7からは、相変わらずQiには対応しませんが、ワイヤレス充電の速度も向上しています。

ワイヤレスイヤホンのAirPodsはワイヤレス充電ケース付きモデルが用意されています。

これらから考えられるのは、小型の機器ではワイヤレス充電へ対応しており、Lightningでの充電は必要なくそうとしている事です。iPhoneからLightningを無くす事も十分あり得るのではということです。

ただ、AirPodsの場合でワイヤレス充電非対応は19,580円で、ワイヤレス充電対応モデルは25,800円で、5,000円ほど高い。Lightning自体を無くせばその分のコストは減るが、現時点ではワイヤレス充電の方がコストが高いという問題がありそうです。

また、ワイヤレス充電自体まだ広く使われている状態ではないため、関連機器がそろっているとは言えません。

やろうと思えば物理的なコネクタ自体をなくして、ワイヤレス充電に完全移行することも可能ですが、周辺環境全てが完全とは言えないので、それをやるのは時期尚早でしょう。

iPhoneの次のコネクタはいつどうなるか

仮に最終的にコネクタ自体をなくす計画があるなら、現時点で中途半端にUSB Type-Cに移行するよりも、現行のLightningを使いながら、除去にコネクタ自体を削除出来るワイヤレス充電環境の普及等を見定めている状況なのかもしれません。

そのためには、関連機器のワイヤレス充電化や関連サービスの拡充が進んでいく事が考えられます。

現時点で移行して問題ないのはAirPodsシリーズでしょう。これが全てワイヤレス充電のみになった後は、そろそろその時期が近づいていると考えられるかも知れません。

完全ワイヤレス充電への移行でiPhoneが問題になるのは、データ転送用途でのLightningの使用でしょう。

現時点でWi-FiやCellular(携帯回線)経由でのバックアップの利用率などがどうなっているかも判断材料の1つとなるかも知れません。

2017年のiPhone 7でヘッドフォン端子を無くしたときに、その理由を説明していました。仮にiPhoneで物理的なコネクタを無くした場合、ワイヤレス充電が普及していること、バックアップ用途などでのクラウドサービスの利用率などを説明するかも知れません。

その場合、関係したバックアップ目的の無料で利用出来るクラウド容量拡大(iOS 15から対応したらしい)などもあるかもしれないし、事前にそれをしやすい環境を提供するかも知れません。

シナリオ1 物理コネクタ自体を無くす計画

前述したように物理コネクタを削除するには様々な周辺環境の整備が必要になります。

それがいつになるかはわからないですが、世間的にはまだ早いだろと思われるタイミングでそれはやってくるかも知れません。

シナリオ2 USB Type-Cへの移行

最終的に物理コネクタは削除せず業界標準のUSB Type-Cに移行する可能性も十分あります。
特にEUでコネクタ統一に関する法律は問題になるでしょう。Appleはこれに関して反論しているようで、わざわざ反論するくらいなので、近い詳細USB Type-Cに移行する気が無い計画な事もわかります。

シナリオ3 当面何もしない

USB Type-Cでも無線充電でもない新しい方式を考えている場合など、何らかの新技術を開発中で、新たにそれに移行する可能性もあります。

ついでにTouch IDに対応しない理由も

新型コロナウイルス関係で使いづらくなったFace IDですが、日本ではTouch IDの対応も希望されているようです。

新型コロナウイルスが世界的に問題になり、世界的にもマスクの着用がほぼ必須となったのは2020年の4月頃から。iPhoneなどスマートフォンやIT機器は、一般的に開発から発売まで2年程かかります。

iPhoneのように毎年発売している機種では、機能によってはそれ以上長い時間をかけている物もありますが、何らかの新機能の追加等については、2年ほど前から企画していないと間に合いません。

少なくとも2020年4月に何か新機能が必要になっても2020年秋の新製品には間に合いません。1年半後の2021年秋の製品の場合、機能によっては2020年4月の段階で設計に取り入れれば間に合う事もあるでしょう。

iPad Air等と同等のTouch IDをそのまま現行のiPhoneに入れれば良いと思う方もいるようです。iPadのTouth IDは現行のiPhoneの電源ボタンサイズとは違うため、単純にiPhoneiPadで使われているTouch IDをそのまま搭載すればいいわけではないです。

2021年9月現在の世界の状況を見てわかるのは、ある程度新型コロナウイルスが流行している国でも、マスク自体は完全に必須になっているとは言えない点です。

マスクが必須になるのは公共の場所、お店の中などのような一部の環境のみで、マスクは一日中付ける物ではないです。そのため、マスクが必須な環境が多いわけではなく、Face IDのような顔認証を無くすという動きはないです。認証の1つの手段として指紋認証を併用することはあるかもしれません。

もしもマスクが必須な環境に対応するとすれば、指紋認証や顔認証よりもよりセキュアな目の虹彩を利用する、虹彩認証への移行と考えられます。

MagSafe充電器