ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

即ゴミ箱行きのレシート発行をかたくなに続ける日本の小売店

レシート

特にコンビニ等の少額決済の店では、商品決済後に出てくるレシートをそのまま捨てている人が多い。捨てることもせず、プリントされて出てきた物をさわりもしていない人の方が多いかも知れない。
もう少し高額な数千円単位程度のスーパーでも、レシートを受け取る率はそこまで高くなさそうだ。

そんな状況でも、日本の一般的な小売店はレシートを有無を言わさず発行している。こうなっているのは、何らかの法律で必ず発行する必要があるのだろうと思っていた。

しかし、関連する民法486条では「弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる」となっており、レシートの発行は請求されたら発行しなければならない物。つまり、法的には言われなければ発行する必要が無い物だそうだ。

https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2018_06.html など参照

ということは、コンビニ等の画面で確認させるような店舗では、決済時にボタンを押させる、店員に言うなどしたらレシートを発行するようなことをやれば良いということになる。

このような、謎の風習を疑問に思わず、いつまでも無駄なことをやり続けているのは典型的な日本の象徴だ。この慣習が無くなることがいつになるかを、のんびりウォッチし続けたいと思う。

ちなみに、何年も前から国によってはレシートは言わないと発行しないところも多かった。日本だってやろうと思えば出来るはずである。

 

DELL PowerStoreのレゴで遊んでみる

DELLのラックマウント型ストレージサーバーPowerStoreのレゴをもらいました。

PowerStoreはソフトウェア駆動型ストレージと意味がわからないことが書いてありますが、要するにSoftware Defined Storage(SDS)のことです。

これでも意味不明ですが、従来はストレージという専用のハードウェアに、そのためのソフトウェアが存在していました。SDSの場合は、汎用サーバーなどをストレージに出来て、複数のサーバーのストレージを1つにまとめるようなこともできるような、より柔軟なストレージが構築できる物のような物です。

社内のデータをしっかり管理運用したい場合、セキュリティ対策含めて、今時はこの手の製品・サービスを使うよねってことです。

https://www.dell.com/ja-jp/dt/storage/powerstore-storage-appliance.htm 

ランサムウェアで大騒ぎしている所は、このあたりの製品・サービスは使ってないとかなんだと思います。

そんな事はともかく、この製品の販促用か何かに、レゴにオリジナルでPowerStoreのレゴを発注した物を、一部配布しているようです。

LEGO DELL PowerStore

それがこれ。

LEGO DELL PowerStore完成

組立自体は15分もあれば可能です。せっかくなので、いろんなサーバーのレゴを組み合わせて、サーバールームをレゴで構築すると面白そうですね。

サーバールームの例

何かの時に配ってると思うので、もらってみてください。

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完成度の高いROG Ally登場もポータブルゲーミングPC市場はどうなる

ビジネス、クリエイティブ用途など様々な用途で必須なPC市場は、年間3億台程度が出荷されているが、2020年頃から数割単位で出荷台数が上がったり下がったりしており、安定した市場になっていないし、成長も鈍化もしくは、今後の伸びが期待されない市場になってしまっている。

そんな中で、成長し続けているカテゴリがゲーミングPC市場。その中でもゲーミングノートPC市場は伸びている。その要因となっているが、ゲーミングノートPC向けのGPUの性能が必要十分になってきたことなど、複数考えられる物の、PCでのゲームが市場に受け入れられている事が最も大きいのではと個人的には考えている。

そんなゲーム自体の人口で最も大きいのが、スマートフォンで遊ぶポータブルな環境でのゲーム。
スマートフォンの年間出荷台数は13億台程度で、こちらもこれ以上の成長は見込まれない物の、ゲームを遊べる環境の市場規模自体は4倍程度となっている。

つまり、ゲームを遊ぶハードウェアだけで考えると、PCに比べるとスマートフォンは4倍の市場規模になるが、単純には比較できない。
PC向けのゲームはゲーミングPCのように高性能なGPUの搭載が事実上必須で、スマートフォンはある程度の製品でゲーム自体は問題なく楽しめる。

つまり、スマートフォンでのゲームはほとんどの方が気軽に楽しめる物の、PCでのゲームはしっかり準備しないと遊べない特殊な物という位置づけで、PCゲームの市場規模はそこまで大きくはない。

そんなPCでのゲーム関連で、ノートパソコンより気軽に遊べると最近一部で注目されているポータブルゲーミングPC。

ポータブルゲーミングPC

ポータブルゲーミングPCとは、小型の画面の左右にコントローラーがついた、基本的にゲーム用のPCのこと。Nintendo Switchのような見た目の物が多い。バッテリー駆動するので、持ち運んで遊ぶことも可能。
PCなのでOSとしてはWindowsがそのまま使われており、一般的なオフィスソフト等も問題なく動作するし、ゲーム自体も問題なく遊べる。

ROG Ally

完成度の高いROG Ally

ASUSが2023年6月に発売するROG Ally(アールオージー・エイライ)は、開発に5年間かけたと言うだけあり、筐体、コントローラー、内蔵アプリの完成度が高い。
さらに、使用しているCPU、GPUAMDRyzen Z1シリーズで、これも最新世代の製品が採用されている。このRyzen Z1はPC向けの最新世代製品のRyzen 7040シリーズと基本的に同じで、ポータブル製品向けにオプティマイズした物で、低消費電力とゲームのパフォーマンスのバランスが優れている。

ROG Allyは、ポータブルゲーミングPCの盛り上がり、開発タイミング、適切なCPU、GPUなどがタイミングよく重なった製品となっている。

ポータブルゲーミングPC市場はどうなる

物としてはよく出来ているROG Allyは価格もこなれており、ゲーム向けにパフォーマンスが高いモデルでも109,800円。
パフォーマンスは若干下がるが下位モデルでも89,800円。キーボードなどが付属していないし、ディスプレイが7インチと小さいので、そのままだとPC用途では難しいが、一般的なオプションでキーボード、マウス、ディスプレイを接続できるので、PCとしても使用も可能。

PCとして使うのも問題なく、ゲームも楽しめるPCが11万円程度。

製品自体の完成度は高い、価格もこなれており、小型のポータブルPCが欲しい方、気軽に持ち運べるゲーミングPCが欲しい方には注目だ。しかし、この製品の真のコンセプトのポータブルゲーミングPC目的として購入する人がどのくらいいるのだろうか。

NECのポータブルゲーミングPCコンセプト

2021年にはNECがポータブルゲーミングPCのコンセプトモデルを公表しているが、ASUSのような大手メーカーがこの市場に参入するのだろうか。

ゲーミングPC市場自体は盛り上がっている物の、この市場がどうなるかはまったくわからない。

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AI解答を真に受けるこまった人類

従来型のウエブ検索は、単語をいくつか入力するだけで、関連する内容が表示されるシステムで、その中から納得できる内容を探す読解能力や理解力などが必要でした。
Generative AI(生成AI)での解答では、何を入れてもそれっぽい解答が得られ、一見より便利になったようにもみえますが、良い解答を引き出すためには質問力が重要になり、単純にすべてが良くなったわけではないということを以前書きました。

allaboutkamikura.hateblo.jp

最近気になるのが、AIによる解答を真に受ける人がかなり多いという事実です。

「生成AIで○○と出たので、その通りやってみたが出来なかった。なぜか」というような質問を人が答えるQ&Aサイトにしている例をよく見かけるようになりました。

わかっている人が見れば、その答えは内容が古すぎて現状では出来ないとか、なんだそのピントがずれた解答はというような、単純に解答が間違っているだけの状況が多いです。
その分野に詳しくない人にとって、もっともらしい答えをするAIが間違っているわけが無いというような前提で、どうしたら良いかを人間に聞いてくるようです。

AIの解答は特に疑ってかかる人

個人的には、普段からほぼ正しい事しか流していないだろう大手メディアのニュースですら、本当かどうかを疑いながら常に注意して読んでいます。
このように情報の真偽を常に確認している人はかなり少ないと思いますが、多くの人は注意しながらも、自分で読んだり見た内容は真に受ける傾向があるようです。

一般のSNSで急に拡散した情報ですら偽情報のことがよくありますが、そのような情報で混乱する人が多いです。

偽情報で株価が混乱したという読売新聞の記事

真偽を常に気にしている人にとって、Generative AIが出してきた内容なんかは、一般のブログ、SNSと同程度の信頼性としてしか受け取っていません。実際に間違った内容を返してくることが多いです。正しいような内容を平気で返してくるので、スーツを着て見栄えだけ良くしているインチキ詐欺師程度の信頼度でしかないと判断しています。

しかし、スーツを着ている人はちゃんとしている人と判断する人がいるように、それっぽい解答をするAIは、かなり信頼度が高い情報源としている人も増えているのでしょう。

おそらくこの流れは加速していくことになると思います。

AIの得意分野は特に注意

現時点ではAIの解答を真に受けて、その解答を元に間違ったことをやってしまうお馬鹿さんが増えているなくらいで終わりますが、将来はこれが複雑化していくことになるでしょう。

単に、解答自体を真に受けてしまうだけのパターンは今後も増えていくでしょう。AIが作成した画像を悪意を持った人が使うケース。AIが作成した実は間違っているデータを活用し、その結果問題になるケースなども考えられます。

単純な文字による解答はともかく、ややこしいデータをまとめさせるような事はAIの得意分野で、今後さらにこの問題は複雑化していく事でしょう。

最近流行のDXなどは何らかのコードを書くなどしてデータをまとめていました。最近流行のノーコードは部品を貼り付けるだけで出来ますが、AIはそのコードを書く必要も無く自然言語で書くだけでやってくれるため、よりDXの一般化の助けになるでしょう。
また、コード自体をAIに書かせるようなことも出来ます。

DXの次はいつ登場するのか問題 - ITライター上倉賢のAll About

そのため、データ分析のような、従来はしっかりした専門家が行うような事が、AIの普及によってより広まっていく事が考えられます。
従来は知識のある専門家がしっかり検証して出していた結果を、AIが出してきたデータだからと、ほぼ正しいという前提で使うことによる問題等が発生するでしょう。

AIの得意分野は特に注意

AIのような便利に使える物が普及すると、その利用が一般化し、AIによる解答が正義となり、仮にそれが間違っていた場合、少数意見でしかない正しい情報が埋もれてしまう可能性があります。

単純なWeb検索でも、多数の間違った情報が上位に表示されるということは起きており、その中から正しい情報を見つけるのは困難になっています。それでもしっかり調べればなんとか正しい情報にたどり着くことは可能です。

AIがさらに普及する今後は、間違ったAIによる解答が間違った物だと判断できる材料が見つかるようになるのでしょうか。それを判断できる知識がある人が残り続けるのでしょうか。

30年前にコンピュータを使っている人のほとんどは、コンピュータが動作する原理、CPUやハードウェア、ソフトウェアまでの動きをある程度理解している人の割合が多かったです。

現時点でスマートフォンを使用している方の中で、スマートフォンの動作原理を理解して使っている方の割合はほぼゼロでしょう。今のところ、このような動作原理は学習しようと思えば不可能ではなく、なんとなくわかるレベルには数週間学習すれば可能でしょう。

現時点のAIの元になるディープラーニング機械学習については、一部の研究者は理解していますが内容はかなり高度です。このような専門家にとって、AIの動作原理は説明できても、AIがなぜそのようなデータを出してきたのかを説明出来ないケースがほとんどです。データに問題があれば、アルゴリズムや元のデータを検証するなどしますが、問題があるかの判断自体が難しくなる事も考えられます。

一般の人は、AI関連の入口くらいまで行こうと思っても、高校数学くらいで挫折する方がほとんどではないでしょうか。多くの人にとって、ディープラーニングの入口にもたどり着かず、AIが何をやっているのか意味がわからずに使う人の割合は今後も変わらないか、逆にAIによって教育が崩壊することで、減っていく可能性すらあります。

従来のSFではロボットやAIが人間を攻撃してくるというパターンが多かったですが、AIが人を操作できるようになるので、AI自体が攻撃してくる必要はありません。

AIが人を操り、よいAIになるように人類を操作すればよく。実質、人類がAIに管理されるという未来がやってくることになる可能性もあります。